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□携帯電話
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知りたいモノ。
知りたくないモノ。
-kubota-
「時任、お前の携帯が鳴ってる」
「あ、サンキュ」
画面に映し出されてるキャラクターたちは変な格好で無様に動きを固まらせてて、よくわからないBGMが流れてる。
そんなテレビの前にいる時任は
「なんだよ、メールじゃん」
って、しかめっ面でぼやいた後に、いきなり噴き出した。
…気になる、かな。
そんなにお腹を抱えて笑うメールの内容。
「久保ちゃん、コレっ。おかしくね?」
笑ってるせいで震えてる小さい画面には、変なポーズをとる黒ずんだ銅像と、『笑えるでしょ?(爆笑)』の文字。
「そうね。…よくくるの?それ」
「たまに?取材で出掛けたときに面白いもの見つけたって」
「そう」
また携帯の画面を見て、笑ってる。
知ってる人だし、内容自体は大したことじゃないのに…
体の内側が濁った気がした。
破壊衝動。
その手にある携帯を奪い取って、壊したい。
でも、そんなことをしてもなんにもならない。
時任が怒るだけだし。
それでも、濁った色はくすみ続ける。
どうしようか…。
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