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□calling
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「……もしもし」
『…あ、久保ちゃんか?』
「ん、俺。どした?」
『今、コンビニいるんだけどさ。牛乳まだあったっけ?』
「冷蔵庫見てみるから、待って」
『頼んだー』
「もしもし、時任?」
『ん。あった?』
「んとね、あと半分あるかなぁってぐらい」
『了解』
「もしもし…」
『んー?なに?』
「もしもし…」
『ちゃんと聞こえてるんだけど…電波悪ぃのか?』
「…もしもし、時任?買い物終わったら、寄り道しないで帰ってきなよ」
『子供扱いすんなっ!』
「…じゃ、またね」
『おうっ』
電話の時に「もしもし」って言うのは、声が届いてるか確認する為だって。
僕の声は届いてる?
僕の声は君に届いてる?
不安だから、何回も繰り返してしまうんだ。
その中に君への気持ちも隠して。
「もしもし…時任、好きだよ」