1〜25/26〜50/51〜




26:どうしよう、君の温もりだけが何処にも無いんだ。
  (声はこんなにも届くのに)
  (姿はこんなにも映るのに)


27:言いたい事は分かるけど、返すべき言葉が分からない。
  (中途半端に器用な僕は、)


28:君がくれた半分があまりに綺麗だったから、僕も半分を上げたいんだけど、僕の半分はあまりに汚れているから。君を汚してしまうから。


29:眩し過ぎる太陽に心を灼き尽くされる錯覚を。
  美し過ぎる満月に魂を喰い尽くされる幻想を。


30:考えたのは僕で望んだのも僕で決めたのも僕で作ったのも僕で壊したのも僕で、
  (でも選んだのは、君)


31:夕暮れの冷たい風が心を奪う。赤く照らされた涙が飛ぶ。言葉は太陽に吸い込まれた。


32:記されたそれは世界が正しいと認める答えだった。
  (僕の心は決して認めようとはしなかったけど)


33:青の見えない空を見て心が落ち着くのは、あの眩し過ぎる太陽を見ずに済むから。
  星の見えない空を見て心が静まるのは、あの優し過ぎる月を見ずに済むから。


34:闇を切り裂く風が地の底から這い上がって来る。帳はもう上がろうとしているのに。


35:何があっても届く事のない今なのだと、絶望にも似た喜びを突き付けられるのだ。


36:一度で良いの許してくれなくても聞こえなくても届かなくても構わないから
  (だからどうか)
  (一言だけ)


37:忌まわしい花粉が飛んで薄ら寒い風が吹き脳が常温で融け出す季節になりました。


38:みんなが偽物だと言って笑い飛ばした世界が、僕だけかな、理想郷に見えたんだ。


39:追悼の二文字に込められた想いを、先に逝ってしまった貴方は知らないのでしょう。


40:恐怖という物を、私は今まで知らなかった。
  (それを教えて下さったのは、他でも無い、)


41:仮初めでも良い。愛しい君に、安らかな休息を。
  (せめて夜明けまでのこの短い間だけでも、)


42:背の高い貴方を見上げると、太陽が眩しいわ。
  (何故かしら。涙が零れそうになるの)


43:ふわふわとした一瞬に身を委ねる。夢より不確かな微睡みに自ら足を踏み入れて、


44:微睡みから飛び起きる。届きかけた手は触れかけた指は、非情にもそこで切り捨てられた。


45:息が途切れる。ゆっくりと絞められる首。酸素は早急に失われ。消える世界。始まりの音、は。


46:風に正面から追われて月に眼を灼かれる。白い雲を見下ろし夜空を切って飛ぶ様な、それは


47:刃を持たない人間ごときが戦えない事など疾うの昔に百も承知でそれでも譲れず剣(ツルギ)を抜いた
 その結果


48:そして三文芝居にも似た外伝は終わり、考えもしなかった続編を語る事になるのだ。


49:楽しそうに語っている事に気付かない声は、18年振りの穏やかさをはらんでいた。


50:出会いの春が来れば、どうせ感傷に浸る暇なんて無いんだから、別れの春くらい許してよ。



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