L×月(短編集2)

□鎖
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『んっ…は……んっ…』


肌を滑る指先から焼けるような熱を感じて…

僕は耳を塞ぎたくなるくらい甘い声を出して啼いたんだ。


どうしてこんなに焦がれてしまうんだろうか。


ねぇ、教えてよ。


竜崎…


。。。。。。。


僕は竜崎と手錠で繋がれながら生活している。


どうして僕がそんな事を…?


勿論、納得なんて出来る筈ないけど、僕が望んだ事らしいから仕方ない。


何か重要な事を忘れているような気がしてならないけど、霧がかかった様に曖昧な記憶が僕を混乱させる。


『今日の捜査は終わりにします。』


竜崎の一言で部屋のピリピリした空気が少し和んだ。


『行きましょう…月くん。』


鎖がジャラっと音を立てて引っ張られる。


手首を傷つけない程度に引き寄せる竜崎の配慮には少し嬉しい。


繋がれた当初は金属アレルギーも手伝ってか、赤く腫れ上がり少し動かしても痛いくらいだった。


今は金属の上からコーティングされた手錠に変わって幾分か傷はマシになった。


まだうっすらと赤くなってるが僕は気にならない。


竜崎は気になってるようだが…


寝室に入り、大きなベッドへと腰をおろす。


すると竜崎がギュッと僕を抱き締めた。


『どうしたの?竜崎…』


僕も背に腕を回す。


『あなたを繋ぎ止めれば止める程、キラに踊らされているようでなりません。』


『竜崎…』


『今の月くんは本当に素直で、可愛らしい今時の大学生です。』


『可愛いって…僕は男だよ?』


世界のLなのに時々変な表現をする竜崎に呆れたりもするけど、嫌な気持ちにならないのはどうしてだろう…


手首に口づけを落とされ、チャリと鎖が鳴いた。


『跡が残ったらどうしましょう…』


竜崎は心配そうに呟くと傷に舌を這わせた。


『んっ…ぁ…っ…』


熱い舌に背筋が痺れて吐息が漏れる。


そのまま僕は柔らかいベッドの上に押し倒された。


『りゅ…っ…ざき…』


カチャカチャと二人を繋ぐ鎖がシーツの上で泣いた。


。。。。。。


ヒクヒクと蠢く秘孔から全身を駆け巡る快楽。


『あっ、あっ…んぅ…』


グチュグチュと濡れた音が部屋に響く。


後ろから突き上げられて、まるで獣のようなポーズ。


シーツを手繰り寄せて握りしめる。


『月くん…月くん…』


『りゅ…んっ…ん……あっ…』


何度もお互いの名を呼びあいながら進む行為。


全部溶けてしまいそうだ…


竜崎の手が僕自身に伸ばされシュッシュッと扱きあげられる。


『やっ!あっ、んっ…りゅ……ざきっ!…んっ…』


『前も後ろもトロトロですね…ほら、ここをこうすると…』


『あっ…アァァァァ!!』


気持ちの良い所を刺激され、背を仰け反らせながら内腿を震わせる。


『月くんが可愛くイク所を私に見せて下さい…』


『イクっ…んっ、りゅう……あっ、アァァ!!』


耳に口唇を寄せて囁かれると、パタパタとシーツに白濁液が飛び散った。


『綺麗です…月くん。もっと私にその姿を見せて下さい…』


そう言って竜崎は激しく腰を動かした。


『あっ…りゅっ…りゅっ…!!』


『月くん…月くん…』


僕は何度目かわからない絶頂を迎えて意識を手放した。


。。。。。。。


次の日は全く体が言うことを聞いてくれなくて散々だった。


少し手加減してほしいと毒づいたくらいだ。


でも僕の心はとても満たされていて、今夜も竜崎に抱かれたいと思う。

この焦がれる気持ちは止められそうにない。


僕は案外しつこい奴なんだ。


覚悟して…

竜崎…


おしまい

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