L×月(短編集2)
□行方不明
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かくれんぼなのか、嫌がらせなのか、または違う理由があるのかは分かりませんが…
月くんが居なくなりました。
まさか神隠し?!
死神まで居る世の中ですから、あり得なくもないですが、一体どこに行ったのですか?
早く出てきてください。
寂しいです、月くん…
。。。。。。
いつも通り一つのベッドに一緒に入り、眠りに着いた私と月くん。
『おやすみ、竜崎。』
『おやすみなさい、月くん。』
勿論、おやすみのキスも忘れずしました。
3回もです。
月くんの柔らかい口唇を堪能しました。
瞳を閉じてキスを待つ月くんの可憐な姿を見てると、ムクムクと下心が暴走しそうになりましたが、ぐっと我慢しました。
直ぐにあどけない表情で眠る月くんの寝顔にもう一度キスをして私も目を瞑った。
睡魔は訪れて、瞬く間に私も深い眠りに入った。
そして朝起きると愛しの月くんが居なくなってたのです。
月くんが寝ていた場所はぬくもりすら感じられず冷たくて…
私はガジリガジリと爪を噛んだ。
『月くん〜月くん〜』
トイレかな?
お腹が空いてキッチンへ行ったのかな?
もしかしたら、綺麗好きだから、朝からバスタイムを楽しんでるのかな?
私はロンTとジーンズに着替えると月くんを探すため部屋から出た。
ため息をついて廊下の窓から外を眺めるとチラチラと白い雪が舞っている。
天空から降り注ぐ雪は真っ白でとても綺麗だ。
『でも、外は寒そうですね…』
私はポツリと呟いて、ズルズルとスニーカーを引きずりながら廊下を歩いた。
月くんが居そうな場所を一つ一つ丁寧に探したが見つからなかった。
もしかしたら此処には居ないのかも知れない。
まさか外に居るのでしょうか…
ポケットに手を突っ込みながら窓辺に行くと、外は荒れていて吹雪になっていた。
『どうして居ないのですか?』
私は不安と少しの苛立ちに眉間にシワを寄せた。
つづく