L×月(短編集2)
□バンパイア
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『月くん…ダメです。そっちに行っては…ただでさえ月くんは太陽の光に弱いのですから…』
『わかってる…分かってるけど…』
俯いて元気を無くす月くんを後ろから優しく抱き締めた。
。。。。。。。
私達はいわゆる吸血鬼だ。
数は少ないが世界には吸血鬼が生息している。
私もそのうちの一人だ。
月くんも吸血鬼だが、私は純血なのに対して月くんは混血。
生まれた時から少し体が弱い。
免疫力が格段に低いのだ。
例えば私達吸血鬼は太陽が苦手だが、昼間に歩く事が出来る。
私だったら炎天下で無ければ行動出来るが、月くんだと皮膚が赤く腫れ上がって軽い火傷を起こしてしまう。
ニンニクや十字架といった類いのモノも苦手だが、多少なら耐えれる。
でも月くんは極端に苦手で、十字架のネックレスをした女性とすれ違うだけで体調を崩したりする。
そんな自分が嫌だと嘆いたりもするが、どんな事があっても月くんを守りながら生活するつもりだ。
吸血鬼には階級がある。
私はトップレベルの最上部にいる。
そして魔法も使える。
攻撃や治癒などあらゆる魔法が使える。
しかし月くんにはその力は無く、階級は低い。
さっきも部屋で寛いでいると外から子供の笑い声が聞こえてきたので、気になった月くんは窓際へ行ったのだろう。
しかし今は昼間。
太陽が燦々と輝いている。
それを私は抱き締めて阻止したまで…
月くんは伏せた顔をあげて潤む瞳をさらした。
『竜崎、キスして…』
首に手を回し、甘える様に体をくっつけた。
『月くん…』
長い睫毛を振るわせ目を閉じる月くんの寂しそうな顔が悲しくて、私は何度も触れるだけの軽いキスを捧げた。
戯れの様なキスが終わると月くんは少し眠りたいと言った。
私は華奢な体を抱き上げ寝室へと運びベッドへ横たえた。
『眠るまで、そばに居て…』
『勿論です…ゆっくり寝てくださいね…』
目蓋にキスをし手を握る。
月くんは安堵の表情をすると、直ぐに眠りに落ちた。
ホッとため息をついてカーテンの隙間から射し込む太陽の光に眩しく目を細めた。
つづく
初の吸血鬼パロ。
設定が意味不明ですんません(笑)
これからどんどん変になる予感(笑)
魔法ってなんぞや(笑)