L×月(短編集2)

□やきもち
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今日も捜査本部は進展もしないまま、のんびりした空気が流れている。


僕は気になる資料があったので、目の前の竜崎に持って行った。


すると松田さんが、


『どうしたの?なんか気になる記事あった?』


と、近づいてきた。


松田さんは、僕のライバルなんだ。


竜崎のことが好きみたい。

年上の大人の雰囲気に負けないように、僕だって年下の可愛い雰囲気で対抗している。



絶対、負けられない。



『うわっ…。』



松田さんは、何もない所でいきなりつまずいて、竜崎に倒れかかった。



もしかして作戦??



松田さんが竜崎に抱きつくなんで、絶対ヤダ…


僕は竜崎の前に立って、松田さんが倒れてくるのを阻止しようとした。



『えっ?ちょっと…』



ドサッと大きな音がした。

思いの外、松田さんが倒れかかってくる力が強くて、
僕は床に押し倒されてしまった。



竜崎に抱きつかれるのは防げたけど、松田さんに馬乗りになられてるのも、なんだか嫌だった。



竜崎は、何も言わず黙々とお菓子を食べてる。



『うっ、うっ。』


悲しくなって、涙が出てきた。


松田さんなんかと、密着してる所を竜崎に見られた。

でも、あのままだったら竜崎と松田さんが、くっついてる所だし。。。


どうしようもないけど、松田さんがコケるのが悪いんだもん。



『大丈夫?どこが痛いの?』



松田さんは、オロオロすると心配そうに聞いてきた。


『松田、その前に月くんの上から退きなさい。』


竜崎が、怒った声で松田さんを睨んだ。



『月くん、ごめんね。』



松田さんは起き上がると、僕を起こそうと手を伸ばした。



松田さんの手なんか握りたくない。


僕は、松田さんの手を無視して自分で立ち上がろうと、体を起こした。



『うっ…うっ、んくっ。』


別に何処も痛くないけど、涙がポロポロ出てきた。



松田さんは、僕が怪我をしたと思い、すまなそうに立ちすくんでいた。



『足ネンザしてますね。手当てしますから、寝室に来て下さい。』



竜崎は、寝室に向かって歩き出したので、僕も後をついて歩いた。



つづく


松田は竜崎の事は、好きではありません。
むしろ、嫌いです(笑)
月の勘違いですが、勝手にライバルだと思ってます(笑)
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