L×月(短編集2)

□仲直り
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竜崎が真剣にパソコンと通信してるので、僕は後ろから『わっ。』と、驚かした。



『うわぁ〜〜。。』



竜崎は大きな雄叫びをあげると、椅子からゴトンと落ちた。



『あははは…竜崎面白すぎるっ。』



僕は、大笑いをした。



地面に、転がったまま竜崎は僕を睨んだ。



でもその姿がまた面白くて、僕はクスクス笑った。



竜崎はゆっくり起き上がると、



『月くん、謝りなさい。』


と、睨んできた。



『やーだよ。ベーだ。』



僕が、あっかんべーをすると、益々竜崎の顔が険しくなった。



『謝りなさいと言っているでしょう。』



竜崎は僕の手首をギュッと握った。



『痛ッ。やめっ…』



竜崎はギリギリと僕の腕を握ってくる。



『早く謝りなさい。』



竜崎は手の力を抜かない所か、キツく握る一方だ。



『ンッ…痛いよっ…』



ジワッと目頭が熱くなって、僕の瞳から涙が零れた。


頬を伝い、ポタポタと床を濡らした。



『うっ、うっ。ごめ…んなさ…いっ…』



僕が謝った途端に竜崎が手をパッと離した。



腕がドクドクと脈打って、真っ赤に腫れ上がった。



そんなに怒る事ないのに・・・



僕が悪いんだけど、無性に悲しくなって、涙がポロポロ溢れた。



すると、竜崎が僕をフワッと抱き締めた。



『痛かったでしょう。すいませんでした。』



竜崎は、僕の頬を優しく撫でて優しくキスしてくれた。



『僕…寂しかったんだもん。うっ、んくっ。
竜崎…朝から、仕事ばっかりするんだもん。』



僕が泣きながら言うと、



『すいません、寂しかったんですか?』



『うん…寂しかった…腕痛いよぉ…んっ、んっ。』



僕は、腕を押さえがら、シクシク泣いた。



竜崎は慌てたように、僕の頭を撫でると、



『すいません。キツく握りすぎました。』



竜崎は手首を頬擦りすると、優しくキスをした。



『仕事ばっかりしちゃヤダもん…』



ビックリさせて怒らせた事は悪かったけど、寂しかったのは本当だもん。。。



竜崎は、困ったように僕を抱き締め、



『とりあえず、腕を冷やしましょう。』



と、僕をキッチンに連れて行った。



つづく
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