L×月(短編集2)

□猫月たん
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今は深夜2時。



私は横で眠る月くんに軽くキスをすると、そっとベッドを抜け出した。



ワタリが居る部屋に行ってマル秘の薬を貰いに行く。



マル秘の薬とはワタリが発明した、半分猫になってしまうと言う薬だ。



完全に猫になるわけでは無く、半分猫化になるという優れものだ。



頭に耳がついたり、本物の尻尾が生えたりするらしい。



コスプレで猫ミミをつけたりするプレイがあるらしいが、月くんにはホントの猫になって貰いましょう。



私はウキウキする気持ちを抑え、ワタリから貰った薬を大事に寝室に持ち帰る。



先ほどと変わりなく、すやすやと寝息を立てる月くんを抱きしめ私も眠る事にした。



。。。。。。。



朝になりいつも通り月くんを起こす。



『朝ですよ。起きてくださいね。』



『んっ…おはよ。』



目をゴシゴシと擦りながら、小さなあくびをする月くんは、とてもあどけない。



『喉渇いたでしょ?水飲みます?』



私はワタリから貰った薬が溶けている水を差し出した。



ワタリの発明した薬は無味無臭。



バレる事はまず無い。


『うん、ありがとう。』



月くんは私からコップを受け取ると、コクコクと飲み干した。



『竜崎も飲む??…アレ…体が、熱いっ…』


月くんが、ギュッと私にしがみついた。



私は優しく抱き締めると、




『月くん、誕生日おめでとうございます。実は先ほどの水に、とある薬を入れました。』


『くっ…すり…??』


『はい。月くんが猫になってしまう薬です。
とは言っても、半分猫になるだけですから、完全に猫になるわけでは無いです。』



『なんで…そん…な事??』



起きてすぐで、頭がパニック状態の月くんは潤んだ瞳で私を見た。



『今日は月くんの誕生日なんで、楽しく過ごしたいなと思いまして。』



『もぅ…普通に祝ってくれたから良いのに…あんっ、あぁぁぁ…!!』


月くんの体から閃光が放たれたかと思うと、眩しい光に包まれた。



『月くん!!』




つづく


月が猫になりますよ〜(笑)
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