L×月(短編集2)

□強がり
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ソロソロ寝ようかと言う時に、どうしても解決しなければならない仕事が入ったみたいだ。



『申し訳ないんですが、一人で寝て頂いて良いですか?やっぱり寂しくて無理ですか?』



勿論一人で寝るのは嫌だし寂しいけど、そう聞かれると…



『平気だよ。寂しくなんか無い。』



僕の負けず嫌いな性格が出て、投げやりに答えてしまった。



本当は竜崎の側で終わるの待ってたかったのに…



『早く終わらせますね。』



竜崎は僕の前髪を上げると、おでこに触れるだけのキスをした。



軽く僕を抱きしめ、パソコンの前に座る。



僕は一人寝室へと向かった。



バタンと扉を閉め、ベッドへとダイブする。


フワフワの柔らかい布団が僕を優しく包んでくれる。



大きく深呼吸すると、洗いたての石鹸の匂いがした。



『あんな言い方しなくても…』



竜崎に言われた言葉を思い出し、思わず呟く。



無理ですか?



なんて意地悪な聞き方なんだろう。



僕を子供扱いして…



そう思う癖に、一人には大きすぎるベッドは寂しすぎて、思わず鼻の奥がツンとする。



隣に竜崎が居ないだけなのに…



目頭が熱くなり、涙が零れ落ちそうになる。



僕はシーツに顔をうずめ、涙を拭いた。



『世界のLだろ?さっさと仕事なんて終わらせて、早く来てよ…』



僕は掛け布団をギュッと抱き締める。



そのまま僕は何時の間にか眠ってしまった。



。。。。。。



『やっぱり泣いちゃいましたか…』



仕事を終わらせ寝室に戻ると、布団を握り締めながら眠る月くんが居た。



長い手足を縮め、小さく丸まった月くんが布団に眠っている。



目蓋は閉じられてはいるものの、睫毛に残る水滴や頬に伝う幾つかの線は、涙意外の何物でも無い。



『私が居なくなったらどうするんですか?全く…』



でも可哀想な事をしましたね。



でも月くんの為に早く仕事終わらせたんですよ。



ついでに、明日の仕事も終わらせておきました。



明日は一日中、一緒に過ごしましょうね。



私は月くんの目蓋に優しくキスをすると、眠りについた。



つづく


次は甘々になりそうな予感(笑)
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