L×月(長編)

□手錠
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監禁が終わると同時に、僕は手錠に繋がれる事になった。



相手は竜崎。。。



僕はキラじゃないのに、世界のLは本当はバカなんじゃないのかな。。。



左手に光る、鎖のついた手錠。



こんな事までする竜崎に、僕は負けないつもりで居たが、本当はとっても怖かった。



僕はキラじゃないけど、ただ記憶がないだけなのだろうか。。



『月くん。』



『なっ、何??』



こっちを見つめる竜崎の瞳は真っ暗で、すぐにでも目を反らしたくなる。



竜崎は大きくため息をすると、



『監禁していた当初と、全く違いますね。まるで別人です。もう監禁はしないので、怯えないでください。』



竜崎が僕の頭に優しく触れた。



何度も何度も優しく撫でてくれて居るのに、僕の体はガタガタ震えた。



『・・・』



竜崎は僕の行動をじーっと見ると、



『もう寝ましょう。』



と、言われたので僕は小さく頷いた。



寝室に入ると、大きなキングサイズのベッドがあった。



一緒に寝るんだ。。。



久しぶりにふかふかのベッドで眠れる事は嬉しかったが、竜崎がすぐ隣に居る事で、全く寛げなかった。



ゆっくり横になると、竜崎も横になった。



電気をパチっと消され、部屋は真っ暗になった。



僕は暗い所は苦手だ。



せめて小さな明かりでもあればいいのに。。



僕はなんだか落ち着かない気持ちを抑えるために、自分の腕で自分を抱き締めた。



『月くん、どうしました?大丈夫ですか?』



竜崎が不自然な事をする僕に尋ねてきた。



『えっ?なんでも、ないよ。』



完全に震えてしまった声しか出せなかったが、僕は返事をした。



体もガタガタ震えて、自分で抱き締めているだけでは、どうしようもなかった。


隣に居る竜崎は、慌てたように、



『大丈夫ですか?』



と、声をかけてきたが、返事は出来なかった。



なんだか無性に怖くて、ハッハッと浅い呼吸を繰り返していたからだ。



ただならぬ状態に、竜崎はパチっと部屋の電気をつけると、僕を覗きこんだ。



つづく
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