L×キラ(短編集)

□君の愛にて窒息死
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最近、竜崎の事を考えると胸が高鳴り熱くなる。


奇妙な対立関係の僕達は張り積めるようにピリピリしていて、少しでも歯車が崩れると、どちらかが奈落の底に引き摺り込まれる。


竜崎を出し抜いて自分が優位に立つ。


世界に君臨するLこと竜崎を蒼空から地面に這いつくばらせてやる。


そう思えば思う程気分は高揚し、心臓の鼓動は激しく脈打つ。


また逢いに出向いてやるよ…


待ってろよ、竜崎。



。。。。。



『やぁ、竜崎。』


大学に居る竜崎を見つけると僕は直ぐに声を掛けた。


気味が悪いくらいにスキンシップを計り竜崎に近寄る。


僕を見るなり竜崎はあからさまに眉間に皺を寄せてギョロリとした瞳をこっちに向けた。


『なんでしょう?』


『お茶でも行かないか?お洒落な喫茶店があるって聞いたんだ。』


『またですか?』


竜崎の言葉は正しい。


僕が竜崎を誘ったのは今日を合わせて連続28回目になるからだ。


未だ断られた事が無いので、ほぼ1ヶ月竜崎とプライベートを過ごしている事になる。


『私とそんなに毎日居て楽しいですか?』


『あぁ、楽しいよ…どうせ、僕を監視するんだろ?竜崎にとっても好都合じゃないか…』


そうだろう?と僕が首を傾げながら訊ねると、なんとも言えない表情をする竜崎。


『そうですが、こうまで誘われると…』


『早く行こう。』


僕は竜崎の言葉を遮断し、手を引っ張った。


ゴツゴツして細い指が触れるだけでゾクゾクする。


僕は早まる気持ちを押さえられず、足はいつの間にか駆け足になっていた。



。。。。。



繁華街から少し離れた喫茶店。


一流品の豆しか使わない珈琲が絶品らしい。


講義でたまたま隣に座った金持ちの女が言っていた。


勿論、竜崎が好きな紅茶だって最高に美味しいらしい。


値段も目を見開く程高いが、会計は竜崎が出すから僕は気にしない。


テーブルを真ん中に向かい合わせで座り、飲み物を一緒に飲む。


嗚呼、珈琲が本当に美味しい。


『美味しいです。』


竜崎も大量に砂糖が溶けた紅茶を啜り一言。


『それは良かった。』


僕は満面の笑みで竜崎を見詰めた。


『この後はどうします?』


カチャカチャとスプーンを回しながら覇気の無い瞳で竜崎が訊ねる。


『素敵な所に連れてってよ…まだ一緒に居たい。』


僕がペロリと口唇を舐めながらお願いすると、竜崎は無表情で肯定の返事をした。



つづく


誘い受で。
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