L×キラ(短編集)

□飲み会
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今日の講義も終わり。



僕は、筆記用具をカバンに入れて、椅子から立ち上がる。



『月くん・・・』



すると、流河に呼ばれた。



『何??どうかした?』



『私と一緒に星でも見に行きませんか?』



『星?どうしたの急に?冬って星が綺麗に見えるから?』



『はい。月くんと一緒に見たいんです。。』



『流河って、意外にロマンチストなんだね。。』



僕がクスクス笑うと、流河は少しムッとして、



『嫌なら結構です。他の人を誘いますから…』



クルッと向きを変えて、スタスタと歩き出した。



『えっ・・・』



僕が慌てて引き止めようとした矢先、流河はたまたま教室に居てた女の子に声をかけた。



『今晩、お暇ですか?貴女と星を見たいんですが、一緒に見ませんか?』



僕が目を見開いて驚いていると、声をかけられた女の子の頬が紅く色づいた。



流河は意外にモテるんだ。

顔だってそんなに悪くないし、頭も良い。

ポンポンと新しい話題も出てくるし、女の子が好きなデザートの話も詳しい。



僕の方が女の子にモテるが、流河だって十分モテる方だ。



『流河くん・・・私も暇だし、一緒に見に行っても良いよ。』



女の子は嬉しそうに笑った。



僕の予想通り、デートにこぎ着けた流河。



『では行きましょうか?私、美味しいクレープ屋を見つけたんです。』



流河はニコニコしながら、女の子と教室を出て行った。



一人教室に取り残される僕。



ちょっと笑っただけなのに・・・



なんだか悔しくて、拳をギュッと握りしめた。



大きくため息をついて教室を後にする。



すでに廊下には、流河と女の子の姿無く、更に大きなため息が漏れた。



トボトボと廊下を歩いてると、男の子に声をかけられた。



『今日飲み会あるんだけど、月も来ないか??』



飲み会かぁ・・・



あんまりお酒強くないんだけど・・・



でも流河はデートだし、あまり気は進まないけど、僕はその飲み会に参加する事にした。



つづく


月が飲み会に参加です。
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