L×キラ(短編集)
□へたれ
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私が女の子と話していると、遠くから視線を感じた。
ふとその方向を見ると、月くんがムッとした表情でこっちを見ていた。
不愉快そうな感情を露わにして、ツカツカとこちらへ近付いてくる。
『何喋ってるの??竜崎帰ろう?今日の講義は終わったよ。』
『そうですね。じゃ、私達は帰りますんで、ではまた。』
私はヒラヒラと女の子に手を振ると、月くんの後を付いて行った。
『月く〜ん。何か怒ってますか?』
私は小走りで月くんの隣に歩み寄り、顔を覗き込んだ。
『別に。何も怒ってないよ。』
『・・・その割には、機嫌悪いみたいですよ。』
『流河がデレデレと女の子と喋ってるからだろ。』
『・・・』
やっぱり怒ってるんじゃないですか・・・
月くんはプンプンと柔らかそうな頬を膨らませ、プィっと顔を背けた。
完全に拗ねてしまった月くん。
別にデレデレしてた訳では無いんですが・・・
先程の女の子と話してた内容だって、月くんの事が好きだから仲を取り持って欲しいと言われただけですし・・・
まぁ、ハッキリとお断りしましたが。
月くんには付き合ってる人が居てますと。
名前は言いませんでしたが、相手は私ですがね。
そんな事とはつゆ知らず、ご立腹の月くん。
とっても可愛らしいですが、ご機嫌を直して貰わないと、月くんの笑顔が見れません。
月くんの笑顔は私を幸せにしてくれますから。
『月くん、妬いてるんですか?』
『なんで?僕がどうして妬かなくちゃいけないんだよ。』
『・・・』
益々月くんを怒らせてしまいました。
『大学終わったら遊ぶって言ってたけど、今日はもう帰る。』
『え〜!!』
この後の段取りが狂ってしまいます。
ホテルのスイートで月くんと一緒にデザートを食べて、ソファーで膝枕して貰いながらイチャイチャして、最後はベットで×××の筈が〜〜〜!!!
それは困ります!!!
『月く〜ん。ごめんなさい!私が悪かったですから〜。』
つづく
へたれLとご立腹月。
Lは月のご機嫌を直す事が出来るのか?!(笑)