L×キラ(短編集)

□飲みすぎてスイート
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『んっ…』


僕がぼんやりと目を覚ますと、見慣れない天井が視界に入った。


ここは…


ゆっくり体を起こすと、頭が少し重たい。


キョロキョロと辺りを見回すと、どうやらベッドの上のようだ。


隣には竜崎が小さな寝息をたてながら眠っている。


何故こんな状況に……


働かない頭で考えると、少しずつ思い出す記憶。


確か今日は大学の友達に誘われて、飲み会に行ったんだ。


その飲み会に竜崎も行くと言い出して、居酒屋で一緒に飲んでたはず…


でも竜崎の飲み方に着いて行けず、僕が先に酔ってしまって、その後の記憶が無い…


まぁ、このスイートルームに居る時点で、竜崎が連れて来てくれたんだろう。


竜崎を見るとほんのりと顔が赤い。


少し酔ってるのか、何時もより口唇も赤い。


『りゅう…ざきぃ…』


僕はお酒で掠れた声で竜崎を呼んだ。


『・・・』


しかし返事はない。


何時の間にか僕の視線は竜崎の口唇に釘付けになっていた。


柔らかそうな口唇に吸い寄せられるように、口唇を重ねる。


『ん……』


竜崎の口唇から吐息が漏れて、ドキドキと鼓動が高鳴る。


寝てる竜崎に何をするんだ…


急に気恥ずかしくなり、思わず口を抑える。


異常なまでに体が熱くて、それはお酒の所為だけでは無い。


下半身が反応して、モジモジと体を揺らしてしまう。


この熱を吐き出したい。


竜崎に抱かれたい。


『りゅう…起きてっ…僕…』


僕は眠る竜崎の体を揺すった。


『んっ…』


小さな吐息は漏れるものの、眠りの中から目覚める事はない。


キスしたくて、触ってほしくて、一つになりたくて、僕の体はどんどん熱くなるばかりだ。


『はぁ…りゅっ、んぅ…』


僕は潤む瞳で竜崎を見つめた。


しかし深い眠りの竜崎に、どうする事も出来なくて、もどかしく体を揺らす。


僕は刺激が欲しくて、自分でズボンの上から下半身を触った。


『んっ…ふ…あっ…』


ビクンと下着の中でペニスが跳ねるのが分かる。


『りゅっ…んっ…』


僕はスルリと下着の中に手を滑り込ませ直接指で触った。


『あっ!んぅ…りゅうざきぃ…!!』


僕は自分の世界に入り込んで、竜崎の名前を呼びながら、指に蜜を絡ませ自慰をした。


『月くん、何してるんですか?』


急に竜崎に声をかけられ、僕はビクッと体を強張らせた。


つづく
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