L×キラ(短編集)

□真っ白な雪
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『月くん、キラの事でお話したい事があるんですが、捜査本部まで来て貰えませんか?』


そんな電話が掛かってきたのは、つい先ほど。


勿論二つ返事で今から行くと伝えて電話を切った。


そして今、竜崎に呼ばれた部屋に居る。


窓から外を見ると雪が降っていた。


チラチラと降る雪は、世界を真っ白にしようと頑張ってるみたいだ。


しかし、か細い雪は儚くて、真っ白にする所か落ちては跡形も無く消えるという寂しいものだった。


『綺麗だな…でも、外はきっと寒いんだろうな…』


来た時は降って無かったのに…


竜崎に呼ばれ捜査本部に来たものの、本人不在。


『竜崎どこに居るんだ?せっかく来てやったのに…』


大きくため息をつくと、窓が白く曇った。


そこに指で落書きをする。


『バカ竜崎』


僕は更にため息をつくと、少し離れたソファーに腰かける。


それにしても、誰も居ない。


もしかして部屋間違えたのかな?


捜査本部の部屋数と言えば、数えた事無いけど相当ある筈…


確か最上階のこの部屋って言ってたと思ったのに…


少し自信を失ってしまう。


『帰ろうかな…』


竜崎も居ない事だし。


そうは頭で思ってる癖に、空調の効いてる快適な温度、そしてこのフワフワとしたソファーに、うつらうつらと眠くなる。


外は雪が降ってるし、このまま少し眠らせて貰おう。


『竜崎のバカ…今日はクリスマスなのに…』


愚痴を零して僕はソファーに寝転んだ。


静かな部屋は眠りを誘い、日頃の疲れも手伝ってか直ぐに深い眠りに堕ちていった。


つづく


次は竜崎視点。
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