L×月(短編集1)


□真っ暗
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僕は結構眠りの深いほうなんだ。



一度寝てしまうと、朝まで起きないタイプなんだけど、今日はちょっと違った。


『うーん。』



なんか、目が覚めてしまった。



目を開けると部屋の中は、真っ暗で、しーんと静まりかえって、ちょっとコワイ。。。



『りゅうざきぃ〜』

僕は、小声で呼んでみた。


『・・・』



僕の声だけ響いた。



『竜崎居てないのぉ。』



『・・・』



やっぱり、しーんと僕の声だけ響いた。



ベッドに居てないか、手探りで竜崎を探す。


でも冷たいシーツがあるだけで、暖かい竜崎の体はなかった。



『りゅうざき・・・』



なんか、ポツンと部屋に取り残されて、なんか一人ぼっち。。。



『りゅうざきぃ〜』



僕は、慌ててベッドを降りた。



視界が暗くて、僕はドスンとこけて尻餅をついた。



『りゅうざき・・・』



何処に居るの??



僕を置いてきぼりにしてどっか行っちゃったの??



『うっ。うっ。』

僕は、声を出して泣いてしまった。



涙が次から次へ溢れて、頬を伝って僕の太ももにポタポタ落ちて、パジャマを濡らした。



すると、ガチャっと音がした。

扉が開いて光が射し込んだ。



『どうかしました?なんか、すごい音がしましたけど・・・』



竜崎だ。。。



『うっ。んっ、うっ。』

僕の嗚咽は酷くなる。



竜崎が僕に近づいて、しゃがんで目線を同じにする。



『どうしたんですか?恐い夢でも見ましたか?』



竜崎は僕を抱き締めると、落ち着かせようと背中を撫でてくれた。



『起きたらっ、真っ暗でぇ、うっ、うっ、竜崎が居なくて、恐くて、寂しかった。』

僕は、竜崎にしがみついた。



『そうですか。。それは、つらかったですね。すいませんでした。。』



よしよしと頭を撫でてくれた。



『お尻が痛い。。。』



『お尻??もしかして、さっきのスゴい音、月くんの尻餅の音ですか?』



僕は、コクッと頷いた。



『大丈夫ですか??』



『竜崎が、痛いの飛んでけ〜って、おまじないしてくれたら、大丈夫だと思う。』



『・・・』



つづく



子供か(笑)
竜崎が月を置いて、何処かに行く訳がないのにね〜
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