L×月(短編集1)


□悪夢
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『月くん!月くん!大丈夫ですか?』



『んっ、はぁはぁ。』



月は、ガバッと布団をめくり目を覚ます。



体は、変に汗ばんで気持ち悪い。。



『すごく、うなされていましたよ。大丈夫ですか?
あまりに、心配なので起こしました。』



『んっ、はぁ、ありがとっ。』



なんか、すごく恐い夢。

なんだったんだろぅ。


体が、ガタガタ震えて竜崎に抱きつきたいけど、汗ばんだ体で抱きつけない。


『大丈夫ですか?』



竜崎は、ゆっくり僕の体を抱き締めてくれた。



『りゅう、んっ、んっ。』


じわりと涙が出てきて、竜崎の胸の中に顔を埋めた。


竜崎は、優しく僕の頭を撫でると、頬の涙を拭いてくれた。



『僕の体、汗かいてるのにごめんね。ありがとう。』


僕は、竜崎の胸の中に顔を埋めながら、落ち着く為に深呼吸した。



『大丈夫ですか?シャワーでも浴びますか?』



僕は、コクッと頷いた。



竜崎は僕を抱き上げて、バスルームに連れて行ってくれた。



震えが止まらない僕の体をしっかり抱き締めながら、脱衣場におろしてくれて、パジャマを脱がしてくれた。



ベタつく体は熱くほんのり赤くなっていた。


一緒に、バスルームに入るとシャワーの湯を頭から被る。



ザァーと、部屋にシャワーの音が響く。



汗が流され、ぬるま湯で癒される。



目の前には心配そうな、竜崎の顔。



僕達二人は、雨の中に居るような気持ちになった。



『竜崎、わざわざ夜中なのに起こしてしまってごめん。しかも、シャワーまで一緒に入ってもらって・・・』



『大丈夫ですよ。月くんが心配で、一人にはさせれません。』



『竜崎どうして、そんなに優しいの??』



前から、ずっと思ってた疑問。。



喧嘩しても、いつも手加減してきつく殴らない竜崎。

泣いてしまったら、優しく涙を拭いてくれる竜崎。

困ってると、いつも助けてくれる竜崎。

いつも腕枕して眠らせてくれる竜崎。

いつも一番に僕の事を考えくれる竜崎。



僕は、竜崎の優しさに包まれている。



つづく



月は竜崎の優しさに気づきました。
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