L×月(短編集1)


□めまい
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今日は、朝から調子が悪い。


なんだか、ぼーっとするし頭がふわふわする。



竜崎は、いつものようにパソコンとにらめっこ。。



書類を持つ力が入らない。


ダメだっ。。



両手で抱えていた書類が、手からバサバサと落ちて床に広がる。



フッと目の前が真っ白になって、僕はそのまま倒れた。



痛い地面に叩きつけられると思っていたが、竜崎が慌てて、駆けつけてくれて、抱き止めてくれた。



『大丈夫ですか?』


驚いたように竜崎に声をかけられたが、曖昧な返事しか出来なかった。



竜崎が、僕を抱き上げて寝室連れて行こうとしたけど、
急に頭がガンガンと打ちつけられるように痛くなって、急に気持ち悪くなってしまった。。



『りゅう、吐きそぅ。』



僕は口を抑えながら、竜崎にもたれ掛かった。



『大丈夫ですか?少し移動しますが、もし無理だったらこのまま、吐いてしまってもかまいません。』



そう言うと、再度僕を抱き上げ寝室に向かい出した。


寝室まで、たった数秒なのに僕は我慢出来ず、竜崎の胸の中で吐いてしまった。



嗚咽混じりに、胃の中の物を吐き出す。
喉が焼けるように痛い。



竜崎は、歩くのを止めるとその場に僕を抱いたまま、しゃがみ込むと、背中をさすってくれた。



少しずつ汚れて行く竜崎の服。
苦しいのと、我慢出来なかった自分との両方で涙が出てきた。



竜崎は、僕の耳元で、



『大丈夫ですか?楽になるまで、もう動かしませんから、ゆっくり吐いていいですよ。
こんなに、しんどかったんですね。気づいてあげれなくて、すいませんでした。』



と、優しく優しく背中を撫でてくれた。



暫くすると、徐々に落ち着いてきた。



『ごめっ。りゅうの服汚れちゃった。』



『全然気にしなくていいですよ。辛かったですね。
もう、動いて大丈夫ですか?』



僕は、コクッと頷いた。



竜崎は再度僕を抱き上げると、脱衣場に連れて行ってくれた。



とりあえず、汚れてしまった服を脱ぐ。



僕も、竜崎も上半身裸になった。



とりあえず、洗面台で口をゆすいで、顔を洗った。



つづく



体調崩した月。
竜崎が優しい。。。
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