L×月(短編集1)


□かくれんぼ
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竜崎と僕は、今お昼寝中。

ふわふわの大きなソファーに一緒にゴロンと寝転んでる。


竜崎は、よっぽど疲れてたのかスゥスゥと寝息を立てていた。



僕は、竜崎の腕からスルッと静かに抜けて、クローゼットに隠れた。



僕を見つけられるかな??


僕は、クローゼットの端にしゃがんで身を潜めた。



『ん??月くん?』



竜崎、目覚めたみたい。



『月くん?』



竜崎は、寝ぼけてるのか目を擦りながら、キョロキョロ僕を探してる。



僕は、息を殺しながら隙間から見える竜崎を見つめた。



竜崎は、ゆっくり起き上がりテーブルにあった甘い紅茶を飲みだした。



めちゃくちゃ落ち着いてる。。。



竜崎の、バカ!
僕が居なくなってるのに、ちっとも焦らない。


僕は、ちょっとムッとした。



竜崎は、ゆっくり紅茶を飲み干すと、小さい声で



『月くん、何処行ったんでしょう・・・』



と、呟いた。



じゃあ、僕を探すとか、したら良いのに・・・



僕なんて、起きたら竜崎が居なくて、泣いちゃった事あるのに。。。



涙腺の弱い僕は、竜崎の行動にジワッと涙が出てきた。



ぐっと我慢してたけど、嗚咽まで出てくる。



『月くん?』



竜崎は、僕が隠れてるクローゼットに近寄って来た。


カチャっと、音がして扉が開いた。



『月くん?どうして、そんな所に隠れてるですか?こっちに出てきて下さい。』


竜崎は困ったように、両手を広げた。



『ヤダッ。竜崎のバカっ。』



僕は、竜崎の手をパシッと払いのけて、クローゼットから飛び出した。



『月くん!』



僕は、竜崎の声を無視して部屋を飛び出した。



竜崎のバカ。。。



でもここは捜査本部の中。


逃げる事は出来ないし、逃げたからってどうしようもない。



一緒懸命逃げてたけど、竜崎に捕まって、ギュッと抱き締められた。



『いやっ、離してよっ。うっ、うっ。』



竜崎の腕の中でもがくけど、力が強くて、逃げられない。



竜崎のシャツは、僕の涙で濡れていく。



『泣いたら、息が苦しいでしょ。泣き止んで下さい。』



竜崎は、僕をあやすように背中を撫でた。



つづく



うちの月はホント泣き虫です(笑)
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