L×月(短編集1)


□甘えんぼ
1ページ/2ページ

なんか、怖い夢を見て今日はまだ、寝たくない。



『月くん、もう寝ましょうか?』



竜崎は、大きく伸びをすると、僕に近づいてきた。



『えっ。僕、まだ眠たくないんだけど…。』



『えっ?さっき、本を読みながら、うとうとしてましたよ?』



『う…うん。』



僕は、しょんぼりと下を向いた。



『まだ、寝たくないんですか?』



竜崎に、優しく問われて小さく頷いた。



『怖い夢を見そうで、心配ですか?』



竜崎は、僕が座ってるソファーの横に座ると、頭を撫でてくれた。



『ただ眠たくないだけだもん…』



竜崎は、小さくため息すると、


『布団に入りましょう。まぶたにキスすると、怖い夢見ないそうですよ。』



竜崎は、チュッと両まぶたにキスしてくれた。



『竜崎、寝ても良いよ。僕まだこの本、読みたいもん。』



『じゃあ、私も起きてますね。一人で起きてるより、良いでしょ?
でも、とりあえずベッドに行きましょう。』



竜崎は、苦笑いすると僕の手を引いてベッドにに連れて行ってくれた。



布団の上にちょこんと座ってると後ろから抱き締められた。



『私にもたれていいですよ。』



竜崎が、そう言ってくれたので、ゆっくり体重を預けた。



後ろから抱きしめられて、手を握ってくれた。



なんでだろう。
竜崎の側に居ると、安心するなぁ・・・



僕は、体を半分横に向けると、竜崎の胸に耳を傾けた。



『トクン・トクン』



心臓が動いてる音がする。


僕が静かに、目を閉じると竜崎は、子供にするみたいに、
背中をポンポンと優しく叩いてくれた。



うつら、うつら、僕は、寝かけていたみたいだ。



僕は、ハッとして目を覚ました。



『やだっ。まだ眠たくないもん。』



僕は、竜崎の服をギュッと握った。



『どうしてですか?やっぱり、怖い夢の事が気になりますか?』



痛い所をつく竜崎。
僕は、仕方なくコクンと頷いた。



『大丈夫ですよ。さっき、怖い夢を見ないおまじないしたでしょ?』



『でも…。』



つづく


だだっ子月(笑)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ