L×月(短編集2)
□大好き
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『竜崎、ちょっと顔が近すぎなんだけどっ!!』
やたらに僕に近寄る竜崎に、非難の声を上げる。
『どうしてですか?もっと近寄らせて下さい。』
『やだよっ、離れてよっ。』
竜崎は鼻と鼻がくっつきそうなくらい近づいてきた。
竜崎の顔は鼻が高くて色も白くてとっても整ってて、格好いい。
丸い瞳の下にある隈は余計だけど、それすら格好良く思える僕は・・・
どうかしてる。。。
『あれ?嫌だと言う割には、顔が赤いですよ?』
ニヤニヤと口唇を指で触りながら聞いてくる竜崎に、何も言い返せない。
『嫌じゃないでしょ?月くんは私の事、好きなんですから。』
『・・・』
どうして、そんなに自信満々に言うんだよ。
今日の竜崎は意地悪だ。
『嫌じゃない…』
僕は竜崎に抱きつき、その一言だけ言うと俯いた。
だって好きだから。
竜崎の事大好きだから。
竜崎はニッコリ笑うと、僕の頭を撫でてキスをした。
『んっ…ぁっ…』
とろけるような竜崎のキスは脳天まで痺れる程、気持ち良い。
『月くん、ごめんなさい。調子に乗りました。』
涙で潤む瞳に何回も啄むようにキスされる。
やっぱり僕は・・・
そんな竜崎が大好きだ。
おしまい
意地悪竜崎ですが、月の涙には弱くて、最後には折れる竜崎でした(笑)