L×月(短編集2)

□仲直り
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水道の蛇口をひねり、水が優しく流れる。



そこに腕を浸された。



冷たい水が気持ち良くて、痛みを和らげる。



『痛いの飛んでけ〜』



竜崎が真剣な顔で言うから、クスッと笑ってしまった。



『大丈夫ですか?』



心配そうに見つめる竜崎に、コクッと頷く。



『でも私もビックリしたんですよ。驚かしたらダメでしょ。』



『うん…ごめんなさい。』


僕の瞳から涙がまた一つ零れた。



竜崎は、僕を後ろから優しく抱き締め、


『今日のお仕事は終わりです。月くんと一緒に過ごします。』



『ホント??』



『はい。』



竜崎がニッコリ笑った。



『僕もゴメンね。』



『いえ、私も悪かったです。』



『でも、僕が先に驚かしたのがいけなかったし…』



『まぁ、私も仕事に夢中になってましたから…』



『仕事に夢中になる竜崎は悪くないよ。僕が邪魔しちゃったから…』



『月くんを、寂しい気持ちにさせてしまったのは私ですし…』



『でも、ビックリさせて、椅子から落としたのは僕だよ…』



『後ろに人が居る事に気づかない私も悪いですよ。』


これじゃ、ちっとも先に進まないよ。。。



『仲直りしたいな、竜崎と。』



『はい。私も仲直りしたいです。』



すると、竜崎は僕を正面に向かい合わせにすると、



『月くん、ごめんなさい。』



と、僕の口唇にキスをした。



『ンッ…僕も…ごめんね。』



チュッと音が鳴り離れると、漆黒の瞳と目が合った。


『ふふふっ。』



なんだか恥ずかしくて、僕が頬を赤くすると、竜崎も白い頬をほんの少し赤くした。



僕達は無事に、仲直りする事が出来た。



僕の腕には竜崎の指の痕がついて、竜崎は落ちた時に足を捻挫したそうだ。



『二人とも怪我人だから、ベッドで養生しない??』


『良いですよ。無理な運動はしないでおきましょうね。』



僕達は、二人でベッドへと向かった。



そこで、激しい運動をしたのはまた後程の話。



おしまい



なんだかんだで仲直り(笑)
久しぶりに捜査本部内の話を書きましたがギャグっぽくなりました(笑)
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