L×月(短編集2)

□川
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恐る恐る入る月の手を握った。



『浅瀬ですから、大丈夫ですよ。いきなり深くなる事は無いです。』



先に竜崎が川に入って月を誘導した。



『川だから、冷たいと思ってたけど、全然冷たくないね〜。』



『流れが緩いですから、そんなに冷たくないですね。』



月は竜崎の手をギュッと握りながら、川に入った。



『水が透き通ってるよ!あっ、小さな魚も居る!』



月が嬉しそうに笑った。



ひんやりとした水が心地良い。



大自然の中で抱き合う二人は天から舞い降りた天使のようだ。



『水、冷たいですか?乳首立ってますよ。』



竜崎が指でプクッと立ち上がった月の胸の飾りを触った。



『ンッ…アンッ。』



月は刺激に驚いてバランスを崩した。



バシャッと水音が鳴る。



即座に竜崎が抱き止めた。



『大丈夫ですか??川だとちょっと危ないですね…すいませんでした。』



竜崎は苦笑いしながら謝ると、ギュッと抱き締めた。



『月くん、一度潜ってみませんか?水の中で二人同時に瞳を開くとか面白そうですよ。』



『うん。良いよ!でも、手はずっと繋いでてね。』



『はい、分かりました。』


竜崎と月は、



『『いっせーのーでっ。』』



の、掛け声と共に大きく息を吸うと、バシャンと潜った。



月がうっすら目を開けると、目の前には竜崎の顔。



髪の毛が川の流れにユラユラと揺れて、まるでワカメみたいだ。



思わす吹き出しそうになるが、なんとか堪えた。



太陽の日差しがキラキラと水中を輝かせ、全てが美しい。



すると、竜崎の口唇が寄ってきてキスされた。



水の中だと不思議な感じ・・・



触れ合うだけのキスだったが、二人の口唇の間からは小さな気泡が溢れ、天に昇った。



竜崎は月がこれ以上、息が続かない事を察知すると、ゆっくり上がった。



『水の中って綺麗だね〜!』



『そうですね。月くんはまるで人魚姫でしたよ。』



『だから、僕は男の子だって〜!』



二人で笑いながら、川でじゃれ合う。



『私、釣りもしたいです!月くんの晩御飯は任せて下さい。』



と宣言し、食べきれない程の魚を釣り上げた。



つづく


うちの竜崎は釣りまで得意なんです(笑)
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