L×月(短編集2)

□川
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たっぷり魚も捕れて、二人仲良くコテージまで帰ってきた。



料理はワタリに任せて、二人はソファーへと腰を下ろす。



『楽しかったね〜!でも、ちょっと疲れちゃった。』



月は苦笑いすると、竜崎に凭れた。



『大丈夫ですか?少しゆっくりしましょうね。』



竜崎は優しい声で慰めると、月の頭を撫でた。



竜崎に頭を撫でてもらうと落ち着く。。。



月は徐々にまぶたが重くなり、そのまま寝てしまった。



『月くん寝ちゃいましたか…まぁ長い間、川に居てましたからね…』



竜崎は月を抱き上げ寝室へと向かう。



『ワタリ、食事が出来次第教えて下さい。』



『かしこまりました。』



竜崎は月をベッドに寝かせると、近くにあったチェアーに腰を下ろした。



『少し顔が赤いですね…肩や背中も焼けて、痛いかも知れませんね。』



竜崎はカチッとタバコに火を着けると、月が起きるのを気長に待つ事にした。



タバコの煙を肺に取り込む。



何だか口寂しい。



甘いものを口に入れ、爪を噛み、タバコを吸う。



竜崎は大きくため息をつきながら、煙を吐き出した。



プルンとした月の口唇を見る。



柔かそうな、色づきの良い月の口唇は甘くて美味しそうだ。



今直ぐにでも、深くキスがしたい。



『ンッ…』



月が小さな吐息を漏らした。



口唇が僅かに動いて、小さな舌が見えた。



竜崎は体を近づけ、月の顔を凝視する。



特に月に起きる様子は無く、相変わらず規則正しい寝息が聞こえるだけだった。



竜崎はタバコを消すと、月の横に滑り込み一緒に眠る事にした。



頬に軽くキスをすると、竜崎のまぶたも自然に重くなりいつの間にか寝てしまった。



。。。。。



『りゅう…起きて?僕、お腹空いた…』




竜崎の耳元で月の声が聞こえる。



『ンッ…??月くん?おはようございます。』



どうやら、ぐっすりと眠ってしまっていたようだ。



竜崎はムクッと起き上がり爪をガジガジと噛んだ。



『竜崎が釣ったお魚食べよう?』



『・・・魚の前に、月くんの口唇を戴きます。』


竜崎は月の後頭部に手を回し、引き寄せると深くキスをした。



『ンッ…ふぁ…りゅっ…』


つづく
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