L×月(短編集2)

□仮病
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月くんを寝室に連れて行き、ベッドへと降ろす。



しかし月くんは私に抱きついたままだ。



『月くん、離れて下さい。私は仕事しますので…』



『病人の介抱しないで、仕事するなんて!何考えてるの?!ヒドいよ!』



月くんが血相を変えて怒り出した。



『・・・』



だって月くん、仮病なんですもん。



『ごほっ、ごほっ。竜崎のせいで咳まで出てきたよ。』



『・・・』



月くん、白々しいですよ。



私は騙されません。



『熱っぽいも〜ん。頭も痛いしぃ〜。咳も出るし…』



月くんがとってつけたように熱弁してます。



そんな大声で症状を言えるなんて、元気な証拠です。



でも、懸命に風邪だと思わせようとする月くんを、健気で可愛いと思う私はL失格ですかね…



必死にしがみつく月くんを抱き締め返し、黙らせるのに口唇を奪った。



『んっ…りゅ、あっ。』



ねっとりと舌を絡めて口内を味わう。



柔らかい舌に自分の長い舌を絡めて擽るように舐める。



『んっ…りゅう、ざきぃ…ふっ。』



甘えた声を出す月くんをキツく抱き締める。



ゆっくり口唇を離すと、目元を朱に染める月くんと目が合った。



『りゅう、風邪移っちゃうよ??』



あくまでも風邪と言い切る月くんに多少呆れるものの、やっぱり可愛いと思う私は…



末期症状ですね・・・



『キスで私にその風邪移して下さい。月くんが辛いのは見てられません。
今日はずっと月くんの側に居て看病しますね。』



私はニッコリと微笑んだ。



月くんの事が大好きなので、騙されてあげます。



特別ですよ。



『竜崎〜。ありがとう。』



月くんは嬉しそうに笑うと今度は月くんからキスをしてきた。



子供みたいな触れ合うだけの優しいキス。



私はそれを深いものに変えてキスを何度もした。



キスだけでは物足りませんから、ついでに体もご馳走になります。



覚悟して下さいね、月くん。



おしまい


怖いくらい甘い(笑)
竜崎がイイ男過ぎました(笑)
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