L×月(短編集2)

□強がり
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真夜中、喉が渇いて目を覚ました。



横には竜崎が指を口唇に押し当てながら眠っている。



竜崎、仕事終わったんだ…



僕は少し竜崎に寄ってギュッと抱きついた。



『んっ?月くん…起きちゃったんですか?』



竜崎の問いにコクンと頷くと、頭を優しく撫でてくれた。



『僕、ちゃんと一人で寝れたよ。』



少し泣いちゃったけど…



『そうですね。余りにもスヤスヤ寝てたので、鼻でも摘んでやろうかと思いましたよ。』


良かった…

泣いてた事はバレて無いみたいだ。



『喉渇いた。』



僕はサイドテーブルに置いてあるミネラルウォーターを取ろうと手を伸ばした。



『私が飲ませてあげます。』



竜崎がヒョイとペットボトルを取り、中身を自分の口内へ入れてしまった。



竜崎の顔が近づいてくる。



僕は恥ずかしくて思わず目を瞑った。



口唇に柔らかい竜崎の口唇が重なり、水が流れ込んでくる。



コクンと喉を鳴らすと今度は竜崎の舌が僕の舌に絡まる。



『んっ…あっ、りゅう。』



竜崎の舌が気持ち良くて声が零れる。



力が抜けて竜崎のシャツをキュッと握ると、後頭部に手が回り僕を支えてくれた。



ゆっくり口唇が離れると同時に唾液の糸が引いた。



体が熱い。



ドキドキと鼓動が早くて、今にも心臓が飛び出てきそうだ。



寂しかった分キスがとても暖かく感じて、何だか泣いてしまいそうだった。



『もっと…キスして。こんなのじゃ、足りないっ…』



僕は竜崎を押し倒すと腰に跨った。



『月く…んっ…』



そのまま竜崎の口唇を奪った。



珍しく僕から舌を入れて竜崎の舌に絡める。



『んっ…ふぅ…』



慣れない行動に次をどうして良いか分からない。



彷徨う舌を竜崎の舌が吸い付く。



『んっ…あっ…』



口唇からは卑猥な水音が鳴り、腰がユラユラと揺れた。



下着の中では自身が主張して、ヒクンヒクンと物欲しそうにしている。



『りゅ…触ってっ…』



僕はいつもには無い態度で竜崎におねだりした。



『どうしたんです?珍しいですね…』



竜崎はニヤリと笑った。



つづく


誘い受け月くん。
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