L×月(長編)

□熱
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もちろん月くんを傷つけるつもりは無かったし、
怯えさせるつもりも無かったが、刃物に恐怖を感じたのだろう。



無理に切る事もないし、髪質の良い月くんの髪の毛は、触り心地もよかった。


別に、月くんは髪の毛が長くても特におかしくもなく、むしろ似合っていた。



太陽に照らすと更に明るく見えるハニー色の髪の毛。

こんなに美しい髪の毛の人を見たことがない。



また時間が経てば、髪の毛をカット出来る日が来るだろうし、特に気にしないようにした。



二人ともパジャマに着替えてベッドに寝転ぶ。



なんか月くんは嬉しそうだ。

しかし、完全には回復してないから、気は抜けない。


月くんは私に寄り添うように横になった。



私は優しく抱き締めた。



たぶん風呂で綺麗に体を洗えたからだろう。



『お風呂も入ってなかったのに、いつも抱き締めくれてて、ありがとう。』



月くんが、小さな声でお礼を言った。



『当たり前じゃないですか。心配で片時も離れたくありませんでした。』



月くんは、少し目を見開くとニッコリ笑った。



『ゆっくり寝てください。』


私は薬を口移しで飲ませた。


『ンッ…。』



竜崎は、ほんの少しだけ舌を絡めると、口唇を離した。



『おやすみなさい。』



その言葉に月くんが、小さく頷き私の腕の中で眠りについた。



ゆっくり、穏やかな寝息をする月くんにホッとする。


ただでさえ、痩せてしまって体力が落ちてしまった月くんは、少し体調を崩すだけでも大事になりかねない。



私も暫くすると眠りが襲ってきた。



ゆっくりまぶたを閉じると、いつの間にか私も眠ってしまった。



。。。。。。



次の日に月くんは、完全に回復した。



辛そうな顔も見なくて済む。


本当に良かった。



でも、なんとなく私の体調が思わしくない。



嫌な予感がする。。。



私も、風邪かどうかはわからないが体調を崩してしまった。



頭もフラフラするし、何気に熱っぽい。



私は、月くんから離れて風邪を治す事にした。


まぁ、離れると言っても寝室を隣の部屋にするだけだが。。。



でも、ずっと離れずに過ごしてたから、月くんを一人にするのは心配だし、ワタリをつける事にした。



つづく
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