L×キラ(短編集)

□好きと嫌い
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『隠れてたの?りゅうのバカ…』



その場から立ち上がろうとするのに、腰の抜けてしまった僕は身動きが取れない。



流河は僕の側にしゃがみ込むと、優しく抱き締めてくれた。



『泣かないでください。熱烈な愛の告白嬉しかったです。』



『!!…もぅ、やだぁ…うっ、うっ。』



恥ずかしいのと、格好悪いのと、全てが入り交じり、益々涙が止まらない。



『私、月くんの事嫌いだなんて、一言も言ってないですよ。
好きじゃないって言ったんです。』



『一緒じゃないか…』



それを今、わざわざ言う必要あるのか??



『好きじゃなくて、大好きだと言おうとしたんです。』



『・・・えっ?!』



『なのに月くん、私の事大嫌いと言って、帰りましたから少し悲しかったです。』



『流河・・・』



『まぁ、今の告白でさっきの言葉がウソだと言う事が分かりましたが。』



『…っっ。』



僕がバカみたいじゃないか・・・



だからと言って嫌いとは言えない。



だって流河の事好きなんだもん。



『電車に乗って帰ったら、泣き顔見られちゃう。流河なんとかしてっ…』



『はぃ。門に車を待たせてます。送りますから泣き止んで下さい。』



流河は、そう言うと僕の涙を長い指で拭ってくれた。


『もう一回、大好きって言って…』



流河は僕の言葉に驚いた表情をすると、ニッコリ微笑み、



『はぃ、月くん大好きです。』



と、僕の耳元で囁いた。



『後、僕を泣かせた事に謝って…』



『はぃ、月くんすいませんでした。』



流河はその後、僕の口唇にキスを落とした。



『ンッ…ハァ…りゅ…。』


流河の舌が口内を動き回る。



流河のキスはとても気持ち良くて、
今までは誰とキスしてたんだろうと焼きもちを妬いてしまいそうになる。



最後は啄むようにして口唇が離れると、漆黒の瞳がこっちを見ていた。



気恥ずかしくなり思わず俯く。



『帰りましょうか…』



『うん…』



僕は流河と肩を並べて門まで行くと高級車に乗り込んだ。



なんだかムカつくけど、流河の事はやっぱり好きだから仕方ない。


おしまい


女王様キラですが、可愛い(笑)
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