L×キラ(短編集)
□へたれ
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『そんな事言わないで下さいよ〜。』
私は情けない声で月くんに泣きついた。
『やだからね。流河が待ってる僕を無視して、女の子と喋ってるからだろ。』
『ですがそれは・・・』
『言い訳は聞きたくない。流河のバカ!もう知らない。』
プリプリと口を尖らせて文句を言う月くんは何だか幼く感じる。
正直可愛らしい。
それより何より、まずは月くんの機嫌を直さなければ・・・
『私のとびっきりのチョコ上げますから。』
私はポケットから銀紙に包まれた、一流シェフが作ったチョコを取り出した。
『いらない。』
『月くん、何か欲しい物はありますか?私、意外にお金持ちなんですよ〜。』
私は反対のポケットからクレジットカードを取り出した。
もちろんブラックカードだ。
『お金で解決しようとするなんて、流河はサイテーだ。』
『うっ…』
私はうなだれるようにガックリ肩を落とした。
『月くん…月くん…月くん…月…くん…』
私はブツブツと念仏を唱えるように月くんの名前を呼び続けた。
『流河いつまで着いてくるの?僕、家に着いたんだけど。』
『えっ?!』
パッと正面を向くと、[夜神]と表札が見えた。
『じゃあね、流河。』
月くんは私に手を振ると、家の中へと入って行こうとする。
『月くん、待って下さ〜い。月く〜ん。寂しいです。』
私はしょんぼりと俯くと、月くんが家に入って行く所を玄関先で見送る。
バタンとドアが閉まり、視界から月くんが消えてしまった。
月くんが帰ってしまいました。
私は魂を奪われたかのように放心状態に玄関先で佇む。
するとガチャと音が鳴り、月くんがドアの隙間からひょっこりと顔を出した。
『反省したぁ??』
『はい!それはもう!月くん、大好きです!』
月くんは、ニッコリ笑うと、
『次は無いからね。』
と、釘を刺した。
『はい!!月くぅ〜ん。』
こうして私達は無事に仲直りして、×××も出来ました。
おしまい
へたれLでした(笑)
女王様月も、最後は優しく可愛くね♪