L×キラ(短編集)

□熱中症
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『んっ…ここは…?』



どうやら僕は眠っていたらしい。



空調の整った部屋で、フワフワの布団の上に寝かされていた。



ゆっくり起き上がると隅の椅子に座りながら、タバコを吸っている竜崎が居る。



僕が起きた事に気づくと、タバコを消してゆっくりこっちに向かってきた。



竜崎は時々タバコを吸うんだ。

その姿が似合っていて、ついつい見惚れてしまう。



『体調はどうですか?』


『平気…』


『それは良かったです。』


竜崎は僕の頭を抱き寄せ、こめかみにキスをした。


ほら…


そういう所が格好良くて、ついつい頬を赤らめてしまう。



『何故あんな所をウロウロしてたんですか?』


『・・・』


大して意味は無い。


竜崎が後ろから着いてくるから、街を歩いていただけだし…



『まぁ、良いです。大事に至らずに済みましたから。』


『うん…』


やんわりと竜崎に抱き締められたので、僕も抱き締め返す。



さっきまで竜崎にイライラしてたのに、僕の心はとても落ち着いていた。



竜崎の顔がゆっくりと近づいてくるのに連られ、僕も瞳を閉じた。


柔らかい感触が口唇に当たり、薄く開いた口から舌が侵入してくる。



『んっ…ふっ…』



鼻に抜ける甘ったるい声を惜しげも無くあげてしまう。



竜崎が僕のシャツを脱がせようとボタンに手をかけた。



この後の行為が簡単に予想出来、思わず頬を染める。



ボタンを外され白い胸が露わになる。



竜崎の指が胸の飾りを掠め、ビクビクッと震えた。



思わずシャツをギュッと握る。



でも外を歩いていた為、汗ばんだ体を触られると思うと嫌だった。



僕が黙ってるとそれを察した竜崎がゆっくり口唇を離して、耳元で囁いた。



『私は構いませんが、月くんは綺麗好きですもんね。一緒にシャワー浴びましょうか。』


竜崎の言葉にコクンと頷いた。



そんな僕に笑みを浮かべ、竜崎は頬に啄むキスをした。



チュッとリップ音が鳴って離れる。



早く愛してほしいな…



バスルームに入った途端、竜崎の激しいキスが待っていた。



僕の心の中が読めるのかな??



そう頭の片隅で思いながら、竜崎のキスに翻弄される。



『ん…あんっ……んっ…』



シャワーの激しい音に紛れながら、僕達の濃厚な口付けが行われる。



このまま溺れよう。



僕は竜崎に体を任せた。



つづく
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