L×キラ(短編集)
□真っ白な雪
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今日は特に用事は無かったんですが、月くんを捜査本部へ呼び出しました。
それは今日がクリスマスだからです。
だって、好きな人と一緒に過ごしたいじゃないですか…
早く月くんに逢いたいです。
とは言ったものの、ワタリと話をしてたら少し遅くなってしまい、まだ月くんには逢えていません。
私は、はやる気持ちを抑え月くんが居る部屋へと向かった。
『月くん、遅くなり申し訳ないです。』
ガチャリとドアノブを回し、部屋へと入る。
『月くん??』
返事が無い事に少し心配したが、ソファーで眠る月くんを見つけホッとため息をついた。
『寝ちゃったんですね…』
すやすやとソファーに体を預け、あどけなく眠る月くんに思わず笑みが零れる。
『無防備に寝過ぎです。襲っちゃいますよ…』
起こさないように、そっと近づく。
普段より幼く見える月くんの前髪を梳いて、こめかみにキスを落とした。
『んっ…』
小さな吐息が聞こえて、起こしたかなと心配したが大丈夫だったようだ。
サラサラと流れる栗色の髪、人工かと思う程の長い睫毛、シミ一つない肌、全てが創りモノの人形の様に美しい。
『まるで天使ですね…いや、悪魔かも知れません…』
『…んっ??』
『お目覚めですか?月くん、お待たせしました。』
呟いた声が大きかったのか、目を覚ました月くんだったが、先程の言葉は聞こえていなかった様だ。
『竜崎…遅い。』
目を擦りながら、不満そうに睨んでくる。
でも寝起きで潤む瞳で睨まれても、全く怖くないです。
『すいません…』
私は素直に謝罪してフワリと抱き締め頬にキスをした。
『竜崎、クリスマスプレゼントは?』
『えっ?』
『だから、クリスマスプレゼント!』
『何が良いですか?』
一体何を望むのだろうと興味深い。
ある程度のモノなら、用意出来る。
すると月くんが欲しいと言ったモノ、それは…
『銀世界。』
『えっ?銀世界ですか?』
『うん、今すぐこの街を銀世界にして欲しい。』
『また何故ですか?』
『竜崎を待ってる間、雪が降っていたんだけど、どうしても積もって欲しかったんだ。』
『そうですか…では窓際に来て下さい。』
私が月くんの手を取り窓辺まで連れて行く。
すると月くんは目を輝かせた。
つづく