L×月(短編集1)
□酔っぱらい
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ワタリさんが居なくなってしまった。
お酒を飲むのはどうやらこの部屋じゃないみたい。
何処で飲むんだろぅ。
『月くん。』
『はっ、はい!』
『用意が終わったようです。行きましょうか?』
『何処で飲むの??』
『最上階の部屋を用意しました。ここよりも夜景がキレイですよ。』
そんな所まで考えてくれてたんだぁ。なんだか、すごく緊張してきちゃった。
『うん!行こう。』
竜崎が僕の手を握って歩き出す。
竜崎の手は、やっぱり温かい。
僕が竜崎の手をぎゅっと握ると、竜崎も僕の手をぎゅっと握り返してくれた。
幸せだなぁ。。。。
部屋にたどり着くと、そこは高級ホテルのような内装、一面の夜景、テーブルには、キレイな花が飾られていた。
『すごく素敵だね。ありがとう!竜崎!』
僕は竜崎に抱きついた。
竜崎は少し照れ笑いすると、抱き締め返してくれた。
ソファーに座る。
テーブルから、花のいい香りがする。
『月くん、何を飲みますか?初めて飲むと言うことで、焼酎、ワイン、日本酒、シャンパン、カクテルと揃えました。』
『竜崎は、何を飲むの??』
『私は焼酎を飲みますが、初めてだと飲みにくいかも知れませんので、梅酒とかどうですか?』
『うん。それでいいよ。』
ホントは、竜崎と同じやつが良かったけど、まぁいいや。
『ソーダと水どちらで割りますか?』
『ソーダとお水だったら、お水がいいな。』
竜崎がグラスに梅酒と、お水を入れて混ぜてくれた。
いつもの奇妙な持ち方で混ぜる棒の手つきが、なんかエロい。。。
妙に、ドキドキしてしまう。
竜崎の指って、長くて綺麗。。。
ぼーっと見てたら、
『乾杯しましょう。』
とグラスを渡された。
『月くんの初めてお酒を飲む記念日に乾杯。』
『僕も、初めて飲む人が竜崎でとても幸せ。ありがとう!』
二人のグラスがカツンと鳴る。
『どうですか?』
心配そうに、こっちを見てる。
『うーん。うすーい梅ジュース飲んでるみたいなんだけど・・・』
『・・・』
つづく
うちの竜崎は、焼酎が好き。しかもお湯割り。おっさんです(笑)