L×月(短編集1)
□真っ暗
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『そうですか。じゃあ、そのおまじないをしましょう。』
『痛いの、痛いの、飛んでけ〜。』
竜崎は、僕のお尻を撫でながらそう唱えた。
『痛みは、大丈夫ですか?』
心配そうに、僕の顔を覗き込む。
『痛いの、飛んで行ったよ。』
僕は、泣き顔で笑った。
竜崎の顔から、安堵の表情が溢れる。
『それは、良かったです。』
頭をよしよしと撫でてくれた。
竜崎は、僕の両わきに手を入れると、立たしてくれた。
『もう、寝ますか??もし、目が覚めてしまったのなら、ホットミルクでも飲みますか?』
『僕、ミルク飲みたい。。』
『わかりました。一緒にホットミルク飲みましょう。』
寝室の隣の部屋に二人で行くとマグカップが2つテーブルに置かれてて、湯気が立ってた。
『熱いから、気をつけて飲んで下さいね。』
少し甘めに味付けしてある、そのホットミルクは、今の僕にはちょうど良かった。
『おいしいよ。竜崎、ありがとう。』
僕は、竜崎に向かって微笑んだ。
竜崎もニコッと笑い返してくれた。
『ところで、竜崎は夜中に何してたの??』
竜崎は気まずそうに、頭をポリポリかいた。
『タバコ吸いに行ってました。』
『たばこ?』
『はい。今まで隠してましたが、私タバコ吸うんです。そんなに量は吸いませんが、たまに。。』
『それで、居なかったの?』
『はい。寝室で吸ってもいいんですが、月くんが煙たいといけないと思いまして。。』
『僕全然、煙へっちゃらだよ。起きて、竜崎が居ない方がよっぽど嫌だよ。』
『そうですか。わかりました。じゃあ、寝室のベランダで吸う事にします。それだったら、月くんも安心ですか?』
『うん!そっかぁ。竜崎、たばこ吸うのかぁ。。僕も吸おうかな。』
僕も、竜崎と同じがいいな。。
『絶対、ダメです!!』
竜崎が突然大きな声を出してビックリする。
『じゃあ、吸わないよ。』
どうしてだろう。でも、竜崎が嫌がる事はしたくない。
竜崎はホッと胸を撫で下ろした。
二人でホットミルクを飲み干すと、再度眠りについた。
おしまい
うちの竜崎はタバコ吸います。でも、月はダメ〜