L×月(短編集1)


□屋上
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『竜崎、車があんなに小さいよ。』



僕は、下を指して竜崎を見た。



『そうですね。』



はしゃぐ、僕を見て、竜崎もうれしそう。



『くれぐれも、身を乗り出したら、ダメですよ。』

竜崎が優しく注意する。



『はぁ〜い。』



ふふふっ。竜崎って、心配性だなぁ。



『そこのベンチに座りましょう。』



竜崎が僕の手を握って、ベンチに座る。



『りゅうざきぃ。膝枕してぇ〜。』



お願いするときは、いつも甘えた声。。

可愛さをアピールする。



『いいですよ。』



竜崎は、そう言うと、ベンチの端に座って、膝をポンポンと叩いた。



『えへへ。竜崎ありがとう。』



竜崎の膝に頭を乗せる。

すると、膝掛けを体にかけてくれた。


暖かい。。。


空一面が視界に入った。。


とってもキレイだ。。。



雲一つない、青い空。

吸い込まれそう。。。



『竜崎、僕ね、空を飛びたい。』



『それは、無理ですよ。。』



『翼があれば、飛べるのに。。鳥になりたいな。』



『自分で、飛ぶことは無理ですよ。。』



『僕がもし、空を羽ばたく羽根があれば、竜崎を乗せてあげるよ。』



『それは、ありがとうございます。でも、難しいでしょうね。』



『そうだね。人間は、空を飛べない生き物だもんね。。』


竜崎は苦笑いすると、


『そんな、悲しい事言わないでください。今度一緒に空の旅に出かけませんか?気球とかどうです?』


竜崎は優しく月の頭を撫でた。


『ホント??素敵だね。竜崎が行く所だったら、何処でも一緒に行きたいな。』

空を見てた月が、竜崎の顔を見た。



『そうですか。良かったです。では、近いうちに行きましょう。』



『うん。楽しみにしとくね。』



僕はニッコリ笑うと、竜崎の顔がゆっくり降りてきて、キスされた。


『ちゅっ』

っと、小さく音が鳴って離れる。。



『寒くないですか?もう戻ります??』



『もう少し、ここに居させて。。竜崎も一緒に、空を眺めようよ。』



『そうですね。ゆっくり空を眺めるのもいいですね。』


そう言うと、竜崎は僕の手を握った。

僕達は、夕方までのんびり屋上で過ごした。



おしまい


ちょい切なめ。空に憧れる月。
ヘリじゃなく気球がいい(笑)
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