L×月(短編集1)


□おるすばん
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月の繋いだ、鎖の先はベットの足に繋いだ。

ベットは完全に固定されてて、動かしたりする事は、不可能だ。



『では、行ってきます。』


竜崎は、心配そうな顔をしながらも、ゆっくり、部屋を後にした。


今は朝の10時、竜崎が帰ってくるのは、明日の夕方4時。


月は、竜崎が出ていった扉を見つめ、ため息をもらした。


手に、はめられた手錠を見る。


それは、冷やっとして冷たく重い。


室内を見渡すと、驚く程広くて静かだ。


そして、ありとあらゆる所に、無数の監視カメラ。


とりあえず、僕は台所まで歩くと、シャラシャラ鎖が地面を這ってついてきた。

冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して、一口飲んだ。



『・・・』


竜崎は何処に行ったんだろぅ。。


ちゃんと、監視カメラで見てくれてるのかなぁ・・・



いつも隣に居てる、竜崎が居てないだけで、凄く寂しい。。


時間が、なかなか進まない事に、どうしたらいいか考える。


『さっき、起きたばっかりだけど、寝よう。。』


寝て、起きたら次の日の夕方だったらいいのにな。。


月は、少し冷たい布団に潜りこんだ。


時計を見ると、まだ竜崎が出掛けてから、15分しか経ってない。


いつもだったら、1日なんて、あっという間なのに。。。


一人には、大きすぎるベット、冷たいシーツ、竜崎の腕じゃないふわふわの枕。


なんだか、とても嫌に思えた。


なんか、目頭が熱くなってきて、慌てて頭を振った。

すると、



『プルルル。プルルル。』
と、電話が鳴った。


竜崎だ!!


慌てて、寝室にあった電話を取る。



『もしもし、月くん。大丈夫ですか?』


心配そうな、竜崎の声。



ジワッと涙が溢れた。


『りゅう、』


言葉が詰まって、出てこない。
でも、竜崎を心配させないように明るい声を出した。


『僕は、大丈夫だよ。竜崎は大丈夫なの?危ない所とかじゃないよね。』


努めて、ゆっくり落ち着いて話す。


『はい。大丈夫です。月くんの、元気そうな声を聞けて良かったです。また、連絡します。』



『えっ。もう切っちゃうの?』


急に、しょんぼりした声を出してしまい、口を押さえたが向こうに聞こえてしまった。



つづく


出発してまだ15分(笑)
月、寂しがりやすぎる(笑)
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