ギロロ君の初恋日記

□個人授業U(R18注)
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「んっ……やっ……ガル……
に……ちゃ……なん…で…」

紫の男は震える緑の体をきつく
抱きしめると、さらに深く口腔
内に舌を挿し込み、歯列を舐め
あげると舌を絡ませ吸い上げる
――

「んぅ……あ……」






週末――
実力のほどは誰もが将来を有望
視していたが、まだ入隊して数
年のガルルはいつもならば週末
の休暇など実地任務のために皆
無に等しかった、が、その週末
はお偉方の式典があり、一定階
級以上の参加者以外の小隊員た
ちには久々の休暇が与えられた
のだった。このチャンスを有効
活用しない手はない、とガルル
は綿密に計画を立て始めた。

先ずは一番大きな砦となる弟を
遠ざけなければならない。ガル
ルは鉄道マニアな弟が食い付き
そうなイベントを片っ端から調
べ上げ、ちょうどその日に実施
されるものをみつけ出し、密か
にチケットを入手した。案の定
赤い弟は目を輝かせて飛びつき
あまりにも簡単に陥落した関門
にガルルは笑いを隠せ得なかっ
た。軍人である父母も勿論式典
には参加することになるだろう
そしてそれはケロロ君の父君も
然り、母君のほうはわからない
が年齢的に母と2人っきりで遊
ぼうということもないだろう―



――完璧だ


計画の順調さにガルルはニヤリ
と笑った。





そしてその日がやってきた。
天気の良い週末だった――
ギロロは少し遠方にある宇宙交
通博物館に行くため早朝に家を
出ていき、両親も少し後に式典
へと向かった。いつもならば暇
をもてあましたケロロは弟のと
ころへやってきていただろう。
だが今日はその弟はいない。き
っと弟も今日のことはケロロに
も報告しているだろう。だから
と言ってあのケロロが家でじっ
としているとも考えにくい。彼
は多分弟たちとともに作った『
秘密基地』なるところ――以前
上級生たちにのっとられそうに
なりガルルが知略と策略によっ
て奪い返してやったあの空き地
の小さな小屋で休日を過ごして
いるのではないかとにらんでた



――思えばあの頃から俺は…

――君に
  心を奪われていたのかも
  しれない――


すっかり日も高くなった頃紫蛙
はやや浮き足立ち気味に空き地
へと向かった。脇には父に修理
に出すように頼まれていたグレ
ネードランチャーを抱えて、さ
もただ通りすがったかのように
装うために。
二つめの角を曲がると空き地が
見えてきた。ガルルは歩調を緩
め、『秘密基地』の方をみやる



――あの中にケロロ君は
  いるだろうか?


そう思いながら足を止めようと
したときに小屋の扉がギィと音
を立てて開かれ、鮮やかな緑の
影が中から飛び出してきた。


「ガルル兄ちゃん!」


まさか自分の名を呼ばれるとは
思っていなかったガルルの心臓
は柄にもなく跳ね上がる、が、
切り替えのよさを最大限に駆使
してあくまでも冷静を装い、微
笑んで駆け寄ってくるケロロに
応える。


「やあ、ケロロ君」

「こんちわ!にいちゃん!」

「どこからか
 俺の姿が見えてたのかな?」

「うん、
 急な敵の来襲に備えて
 この前見張り窓作ったんだ」


そういうとケロロは『秘密基地
』の上部を指差す。ケロロのさ
した方向に小さな小穴が開かれ
ていた。


「それは懸命な設置だな」

「だしょ〜?
 さすがガルル兄ちゃん、
 わかってるね」


ケロロは嬉しそうに人懐っこい
笑顔をガルルに向けた。少し間
を空けてからおずおずと小声で
尋ねる。


「今日……
 ギロロいないんだよね」

「ああ、宇宙交通博物館に
 朝早くに出て行ったよ」

「そう……」

少し寂しげなケロロの表情を見
て、ガルルの胸にチクリとした
ものが走る。


――君はそんなに
  あいつのことが……


肩にかけた銃のベルトをガルル
はぎゅっと握り締めた。と、ケ
ロロがその銃に興味を持つ。


「それ何?すっげー銃だね」

「あ、ああ……
 親父に修理に出すように
 頼まれてね」

「触ってもいい?」

「いいとも」


ガルルは銃を肩から下すとケロ
ロの前へと差し出した。


「すっげぇ〜!」


ケロロは銃身をすりすりと撫で
た。


「兄ちゃん
 いつもこれ使って
 戦ってるの?」

「これは親父のだが……
 まあ似たようなものは
 使ってるな」

「スゴイなぁ〜ソンケー!」


と、ケロロは徐にランチャーを
担ぎ発射レバーを引こうとする
ので、慌ててガルルが止めに入
る。


「こ、こら!ケロロ君!
 危ないからやめなさい!」

「ちぇっ」

「まあ、ひいた所で中身は
 入ってないから
 何もでないが……
 戦場でそんなことをしたら
 命取りだぞ」

「う……ん、ごめんなさい」


シュンと肩をすくめるケロロに
ガルルは微笑みかける。


「もっとほかのヤツも
 みるかい?」

「え?」

「うちは
 スナイパー一家だからね、
 一応一通りの銃が
 揃っている。
 もし興味があるのなら……」

「見たい見たい!」

「じゃあ、くるか?うちに」

「うん!」


ケロロは大喜びでピョンピョン
飛び跳ね「ヤフー!」と声を上
げた。ガルルはといえばあまり
にも順調にすすむ計画に密かに
ほくそ笑んでいた。
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