『君と此処で……』<アニケロ第195話「ケロロ温泉つうたら卓球…であります」より>




青い腕がふわりと回されると背後から抱きしめられる。


――なんだよ、今更……


ケロロは寄せられた頬からぷいと顔を背けた。


「なんか怒ってる?」


だからといって青い腕の力は緩むことはなく、唇は耳元へ寄せられ囁かれる。
緑蛙はちらりと横目で自分を腕の中に閉じ込めている青蛙をみやると徐に右手を青い束縛からすり抜けさせて、肩に乗せられていた顎を力いっぱい上に持ち上げ、遠ざける。


「イタタタタ・・・」

「イヤであります!」


きっぱり言い切って、緑の両腕をブンブン振り回し、青い腕を振り解く。とまどう青い蛙の手をパンとはたくと腕を組み、「フン」と鼻を鳴らしてドロロに背を向けケロロは言い放った。


「もう
 遅いであります!」

「遅いって……
 なにが?」

「今更であります!」

「だから何が
 今更なんでござる?」


ケロロは頬を膨らませ口を尖らせると、ぼそりと小声で言う。


「ドロロは……
 我輩が小雪殿に
 やられてるのに
 敵をとって
 くれなかった
 であります」

「え?」

「我輩せっかく
 あの夏美殿に
 勝ったのに……
 夏美殿の敵を
 討ちますぅ〜
 なんてさぁ〜……
 小雪殿は忍法使って
 ズルしてさぁ〜……
 我輩コテンパンに
 やられたのに……
 おまいはへらへら
 笑ってたじゃん!」


ブツブツと呟くケロロにドロロはプッと吹き出す。いきなり笑い出すドロロにケロロはカチンときて声を荒げる。


「ぬわ〜にが
 おかしいで
 ありますか!?
 我輩怒ってるんで
 ありますよぉっ!」


「ムキ〜ッ!」と声を上げながら、ケロロは腕を振り上げる。青い手はその腕を掴むと柔らかく微笑んだ。


「それで
 拗ねてたんで
 ござるか?」

「拗ねてないっ!
 怒ってるの!
 我輩が
 やられてるのに
 助けてくれないなんて
 愛がない
 証拠であります!」

「だって
 ケロロ君
 可愛いから……」

「そんな言葉には
 ごまかされな……
 ……んっ……」


言いかけた台詞は唇で封じられ、掴まれた腕を引き寄せられて抱きしめられる。
抵抗しようともがく緑の体を青い腕はますます強く抱いて動くことすらできなくなってしまった。
頑なに閉じていた歯列も上唇を甘噛みされ舐めとられると簡単に開放され押し入ってきた舌に
口腔内はあっさり侵略されてしまう。


「……ん……ふ……っ」


広がっていく熱にもう抗う気持ちはすっかり打ち負かされて、ともすれば脱力してしまいそうになり、ケロロは必死にドロロの浴衣の袖を握り締めてしがみついた。やがて唇が離されるとケロロは熱く火照った頬を隠すように俯いて「ズルいであります……」と呟く。


「だってケロロ君
 可愛いから……」


耳元に顔をうずめながら青蛙はもう一度同じ台詞を言う。


「ドロロ
 そればっかり……」


「しょうがないよ……
 可愛いんだもん……」


後ろに回された青い手がするりと浴衣の帯の結び目を解く。役目のなくなった帯がぱさりと床に落ちるとすでに開いている浴衣の前合わせから迷うことなく下方に侵入する手をケロロは慌てて止める。


「ちょ、ちょっと
 ドロロ!!
 ダメだって!」

「なんで?」

「なんでって、あんた、
 ここ卓球場で
 ありますよ」

「だから?」

「だからって、おい!
 ヤヴァイって!!
 ちょっとぉ〜っ!!」




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続きはこちらby『ivory』真夜様



相互サイト様『ONE COLOR』真夜様とコラボレイトさせて頂きました、アニケロ第195話後編「ケロロ温泉つうたら卓球だ であります」の続き捏造ドロケロSS&漫画であります♪水母が丸投げしたSSに真夜様がステキ漫画オチを付けてくれました。どぞ素敵オチをご堪能くださいませ♪真夜様ありがと〜〜〜!

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