Reborn!

□鬼の目にも涙
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「ん・・・あ、多串君おはよー」

目を覚ますと、土方が青ざめた顔で隣に座っていた。

「『おはよー』じゃねぇ! お前なんで俺の布団に寝てんだよ、しかも真っ裸で!」

朝起きて一言目がそれってのは、ちょっとヒドくないですか?

「あれ、多串君覚えてないの? あんなに啼いてたのにねぇ」

土方の顔が見る見るうちに、赤くなっていく。

「嘘つくんじゃねぇ!」

「嘘じゃねぇって。マジで覚えてない?」

「覚えてねぇし、お前た寝るなんてありえねー」

「うっわヒド。あんなに愛しあったの――ゴフッ」

「黙れ」

土方の殴りが、みぞおちに入る。

う・・・今のは結構効いた。

「・・・んーでもねぇ。マジだからねぇ」

「だから嘘――」

「嘘じゃないってば。銀さん覚えてるし」

「信じられねぇな」

「じゃあ、どうしたら思い出してくれる?」

「知るか」

あぁ、そう。銀さん、本気出していいかな。昨日みたいに。

って、昨日の事は覚えてないみたいだけどね。多串君は。

「体は覚えてるかなー?」

「は?」

「だからさぁ」

 ドサッ――

楽なもんだねぇ。こんなに簡単に組み敷かれてるよ、土方。

「こういうこと」

「っ!ちょ、待て・・・んん!」

口づけを交わす。いや、銀さんが一方的にしてるけど。

「っは・・・やめっ・・・・」

土方の色々な所に口づけをする。やべぇ、銀さんちょっと勃ってきた。

「思い出してきた?」


 『土方ー銀さんのこと好き?』

 『銀時・・・・・・す・・・・すき・・・・』

 『んー銀さんも』

 『っあ・・・』

 『なぁ、土方。俺、土方が死んだら生きて行けねぇわ・・・・って、聞こえてる?』

 『・・・・っ』

 『良すぎて、もう分かんない? かわいいねぇ、土方は』


「っ・・・・!」

「あ、思い出したって顔してる」

「思い出してねぇ」

「まぁ、今更思い出してもう遅いけどねー」

「は?」

「銀さんの息子が、完璧に勃っちゃいました」

「はぁ?!」

「ってことで、続けようか」

「いやいやいや、何勝手に決めてんだよ」

「もうそろそろ、黙ろうか。多串君」

土方の口を、持っていた布で塞いでやる。銀さん口で塞いでも良かったんだけど、やっぱこっちの方が燃えるじゃん? ついでに手も縛る。

首筋にキスしてやる。銀さんのテクはすごいよー

「ん・・・っふ・・・・・・・うっ・・・うぅ・・・・」

あれ、え、泣いてる? 銀さんそんなに怖かった?

「鬼の副長さんが、泣いていいのか?」

「うぅ・・・」

「・・・・はぁ」

渋々口の布を取ってやる。泣かれちゃあ仕方ねぇよなぁ。

「うぅ・・・・何なんだ・・・よ・・・も、意味分かんねぇ・・・」

「泣くなよー」

「黙れ・・・・この、強姦魔が」

「すみませんでした。反省してます・・・
でもな、覚えてないとか言われちゃ、やっぱりこうなっちまうって」

あの時確かに、俺たちは愛し合ってたよな? それを、『覚えてない』で片付けられたら、銀さんもキレるってもんよ。

「俺、土方抱いて実感したよ? 土方の事、マジで好きだなぁって」

頼むよ。忘れないでくれよ。俺が土方を抱いたのは確かに在ったことなんだよ。

「土方のこと好きなんだよ。この思いは俺だけか? 確かに昨日、お前は俺の事を好きだって言ってくれただろ?」

あー・・・ヤバイ。銀さんってこんなに涙腺弱かったっけ? 泣きそう。

「そ、それは・・・・」

「じゃあ、もう一度聞く。土方は俺のこと好きか?」

「・・・・」

「なぁ、好き?」

「好きじゃない・・・でも、嫌いでも、ない」

「つまり、好き」

「っ・・・!」

「土方の言いたい事なんか、お見通しですー
どれだけ、銀さんが片思いしてきたか分かってんの? 多串君?」

「知るか」

「ひどーでも、まぁこれで晴れて両思いって訳ですか」

「・・・・って、何してるんですか? 坂田さん」

「何って、続きをしようと・・・」

「殺ーす・・・・」

は、いつの間に刀を!

「銀時、覚悟・・・・!」

「ぎゃぁーーーーーーー」





               END

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