04/11の日記
08:30
3A:無題
---------------
3Aは、百合っぽいなと個人的に思ってる。なんかそんな感じ。
ーーーー
恥ずかしいから、そんなに僕を見るな。
『無題』
いつも目を覚ますと、真っ先にその姿が目に入る。
「…ふぁ。」
今日も陽射しが気持ち良かったから、いつものベンチで昼寝。昼寝した時はちょうど真上に太陽があったのに、昼寝から覚めた今は太陽はもう沈む寸前で。…どれだけ寝てたんだ、僕は。疲れてたんだろうか?
「おや、目が覚めたのですね。」
今日は随分と長い昼寝でしたねとの声に目線を横に向ければ、呆れ果てた顔をしたトレイの姿が目に入った。疲れてるならこんな所で寝るんじゃなくてベッドで寝る事をオススメしますと、彼は読んでた本に栞を挟んで閉じた。
「そろそろ起こすべきなんじゃないかと、少し悩んでいた所でした。」
いつも、そうだ。昼寝してると、気が付くとトレイが側にいる。眠る僕の隣に座って、本を読んでいる。
「昼間は暖かくても、日が陰ってしまえばまだ寒いですからね。風邪をひかれては困りますし。気持ち良いのは分かりますけど、少しは気を付けた方がいいかと。」
そして風邪をひいたらどうするんです?と、口酸っぱく言ってくる。僕はそこまで柔じゃないと言うのだが、トレイは聞く耳を持たない。何回言っても変わらないから、もう言い返すのを諦めた。
「今度から気を付ける。ありがとう、トレイ。」
「いえ、礼など要りませんよ。私はそうしたくてしてるだけですから。」
どうゆう意味だろうと首を傾げた。
「…まさか、隙だらけに何処でも昼寝する僕への嫌がらせの為とかか?」
「違いますよ。本当に嫌がらせの為なら、もっとねちっこくやります。」
じゃあなんだ?とますます分からなくて首を傾げると、実はですねとトレイはフフっと笑った。
「私は、貴方が目を覚ました時に真っ先に目に入る人間でありたいだけです。から。だから礼など不要なんですよ、エース。」
「…!?」
「部屋は別々なので、朝は無理です。授業中も無理ですね、授業中に座席を立つ訳にはいきませんし。なら、どうするか。貴方がここで昼寝して覚醒する時を狙うしかない訳です。」
私のささやかな願いなんですよと笑うトレイに、僕はどう反応していいのか分からなかった。
…というか、顔が熱いのをどうにかしたい。さっきまで少し肌寒いなとか思ってたぐらいなのに、なんで急に暑くなったんだか分からない。また太陽が昇ったとか?大人しく沈んでおけと言いたい。うん。
「…えっと、それは良かったな。」
どうにかして絞り出したのは、そんな言葉。それにトレイは、
「ええ、とても幸せです。」
と本当にこれ以上ないってぐらい幸せそうに笑っていた。これぐらいで幸せって言えるんだから、きっとトレイの毎日は幸せに満ちているのだろう。羨ましい事だ。うん。
「いっそのこと、上に掛け合って同室にしてもらいます?…あ、でも、そんな事になったら一晩中エースを見つめてしまいそうです。というか、見つめててもかまいませんか?別にかまいませんよね?」
「…勘弁してくれ、本当に。」
そんな事されたら、恥ずかしくて寝不足になってしまいそうだ。
ボソリと言った言葉が耳に入ったのかそうじゃないか分からないが、トレイはニコニコ笑いながら僕を見てた。
【終】
前へ|次へ
□ コメントを書く
□ 日記を書き直す
□ この日記を削除
[戻る]