ディシディア文章その2

□膝枕
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今度、私にもしてくれないかとバッツに頼んでみようか。



『膝枕』



バッツに、膝枕してくれと言われた。

「膝枕とは、どんな技だ?」

「あ〜。ライト、膝枕知らないのか。」

とりあえず技じゃないからとバッツに言われ、首を傾げる。
膝は体の一部だ、これは知っている。枕は寝るときに頭をのせるヤツだ、これも知っている。でも、膝枕とはなんだ?知らない言葉だ、良く分からない。

「そんなに難しい事じゃないんだ。とりあえずライトは、その場に座ってくれれば良いから。」

「座れば良いのか?分かった。」

彼に言われた通りにその場に座ると、バッツはニコニコと笑いながら私の横に座り、そのままゴロンと横になってしまった。私の膝に頭を乗せて。

「この状態が、膝枕なのか?」

「そうそう、これが膝枕。意外と気持ち良いんだよねぇ〜…。」

私の膝では固いだけではないのかとか、ベッドでちゃんと寝た方が疲れがとれるのではないかとか。イロイロ質問したい事があったというのに、気が付いたらバッツはすーすー寝息をたてながら寝ていた。

「よほど、疲れていたのだろうか…?」

どうしたものかと私は考えを廻らせる。浮かんだ疑問は彼が起きてから質問すれば良い話だが、彼が起きるまで私は何をしていれば良いのか分からない。せめてそれぐらい教えてから眠って欲しかった。

剣の手入れでもしてようかとも思ったが、彼の眠りを妨げてしまうかもしれないので止めた。せっかく気持ちよさそうに眠っているのだ、邪魔するのは良くないと思う。だからって、何もしないというのも時間を無駄にしているようで嫌だ。

本当に、どうしたら良いものか…。

「……。」

暇を持て余した私は、丁度触りやすい位地にあったバッツの頭に触れてみる。思ってたより柔らかい感触の彼の髪の毛に、少し驚いた。
てっきりバッツの髪の毛は固い感触だと思っていたから、このサラサラとした感触は予想外だった。それと、彼の髪の毛をずっと触っていたいと思った。この感触は、癖になりそうだ。

「膝枕をする代償だと言えば、バッツは許してくれるだろうか…?」

バッツの髪の毛を弄りながら、それに対しての言い訳を考える。とりあえず、考える時間だけは沢山ありそうだ。

私に髪の毛を弄られているのも関わらず、今だにバッツは気持ちよさそうに眠り続けている。そんなに疲れていたのか膝枕が凄く眠るのに適しているのかは分からないが、少し無防備過ぎるような気がする。

「私と一緒にいるとはいえ、バッツは少々油断しすぎではないか?後で厳重注意をしておかなくては。」

でも、それはバッツが起きてからで良いか。

彼に質問したい内容と注意しなければならないと思った事をまとめながら、暇な私はしばらくの間バッツの髪の毛の感触を楽しむ事にした。

彼が目を覚ます、その時まで。


【終】

バッツの髪の毛は、見た目に反して柔らかいっていうのが私的希望。というか願望。

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