ディシディア文章

□幸せな未来へ
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彼と一緒なら、きっと大丈夫。


『幸せな未来へ』


「ヴァンは、強いのね。…弱い私とは、全然違う。」

そんな事を言ったら、彼が不思議そうな顔をしながら振り返った。

「ティナは、弱くなんかないと思うぜ?」

気にすることじゃないけどなと言う彼に、首を横に振る。

「いいえ、私は弱いわ。私一人では、何も出来ないもの…。」

私一人では、ケフカから逃げられなかった。あの時ヴァンが助けてくれなければ、今でも私はきっと人形のままだった。ケフカの命令通りに破壊を続ける、破壊の人形のままだった。

そうなってたかもしれない未来の事を考えると、体の震えが止まらなかった。

「こんな私じゃ、人形と言われても仕方がないのかも…。まるで、あの時と何も変わってない…。」

「でも、今は違うだろ?ティナは人形じゃない。」

不安がる私の手を握りながら、ヴァンはニッコリと笑った。

「今のティナには、ちゃんと感情がある。泣いたり、笑ったり、不安がったりする。人形だったら、感情なんてないだろ?だから、ティナは人形なんかじゃないよ。ちゃんとした、一人の人間だ。」

「……。」

ヴァンが、彼が凄く眩しく思う時がある。眩しいけど、暖かい。彼と一緒なら、どこまでも行けそうな気がする。

ずっと、彼と一緒にいたい。

「弱いと思うなら、強くなれば良い。それだけの話だろ?大丈夫だって!」

「そうか、な?ヴァンがそう言うなら、きっとそうなんだよね。」

大丈夫とヴァンが笑えば、本当に大丈夫だと思えてくるから不思議。ヴァンの言葉なら、心の底から信じられる。

ヴァンと一緒なら、私もきっと強くなれる。

「二人で、最強の空賊になろうぜ!」

そう笑う彼に、そんな未来も良いかもしれないと本当に思った。


【終】
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