ディシディア文章
□秩序の女神
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私には、耐えられなかったのです。
『秩序の女神』
それは、きっと許されない事。
「貴女の力は、世界の秩序を守る為に使うべきだ。我ら戦士の為に使うべきではない。」
それが私の存在理由。私は、カオスの力を押さえ込み、世界が崩壊するのを防がなければならない。
でも…―。
「勝利を願う貴女を敗北へと導いてしまった私は、光の戦士として戦う資格などないのかもしれない。けれど、最期の時まで貴女の側で貴女を護ろう。」
少し悲しそうな、しかし決意を決めた顔をする貴方。そんな貴方の顔を見ていると、胸がギュウッと締め付けられるのです。
「WoL、私は…―。」
どうして、貴方は逃げないのですか?
私など、貴方に護られる資格などないというのに…。
「貴女の側でこの先も戦えない事を、どうか許して欲しい…。」
傷付き、膝をつく貴方。
そんな彼に待っているのは、完全なる消滅。この世界から、私の前から彼が居なくなってしまう。
気がついたら、体が動いていた。
「そんな事…、そんな事は私が許しません…っ!!」
彼の前に飛び出し、ありったけの力を解き放つ。
世界の為に使うべき力を、駒である戦士を守る為に使う。
それは決して許されない事だという事は、私も理解しています。でも、私には耐えられなかった。彼が消滅していくのをただ見ている事など、私には出来なかったのです。
「コスモス…!」
驚いた顔をした貴方。
きっと、貴方は私を許さないでしょうね。貴方は、規則とかに厳しい人だから。
…でも、私は後悔してません。反射的に動いてくれた体に、感謝しているぐらいです。これがどんな結末を招こうとも、決して後悔などしない。
「…神竜よ。私は、私は負けを認めます!!」
愛しい貴方を守れるのなら、どんな罰を与えられようとも耐えてみせる。
突如この世界に現れた、光の竜の姿。
薄れゆく意識の中で、私は微笑んでいた。
【終】
もう、WoLとコスモスは結婚しちゃえば良いと思う(笑)