ディシディア文章

□お願いだから
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本当に無茶しているのは、どっちだ。



『お願いだから』



「ライトは少し休むべきだ。働き過ぎるのは、体に良くないぜ?」

ニコニコと笑いながら私に近づいて来たバッツ。そして言われたのは、予想してなかった事。

「ちゃんと休息もとっているし、私は疲れてなどいない。」

「もしかして、自覚なし?今のライト、倒れそうな顔してる。」

ため息をつくバッツに、首を傾げる。そんな凄い顔を私はしているのだろうか?

「…我等には時間がないのだ。疲れている隙などない。」

「あのね、ライト。頑張るのは良いけどさ、それで倒れちゃ意味ないじゃん。それこそ、時間の無駄。」

私は大丈夫だと言ったら、だからそれがいけないんだとバッツに軽く胸を叩かれた。

「大丈夫って言う奴が、1番大丈夫じゃないんだ。無茶するような奴は、こっちが無茶しないように気をつけてやらないと…。倒れてからじゃ、遅いんだ。今度こそ、俺がしっかりしないと…。」

「…バッツ?」

俯いて何かを早口に言うバッツに、首を傾げる。するとハッとバッツは顔を上げると、なんでもないと首を横に振った。

「なんでもないようには見えなかったが。何か悩みがあるなら、相談にのるが?」

「大丈夫、大丈夫!俺の事は良いから、ライトは自分の事だけを考えてれば良いって!!」

俺は大丈夫と笑うバッツに見つめ、ふむと考える。
彼の目の下にはクマ。どうやら、休憩が必要なのは私だけではないらしい。ならば、意地をはっている必要はない。むしろ、時間の無駄だ。

「心配なら、俺が見張りやるからさ。だからライトは休んでよ…。」

「分かった。言葉に甘えて、休ませてもらおう。」

ため息をつきながらそう言うと、バッツがパアッと嬉しそうな顔をした。良く表情がコロコロと変わる子だと思う。見ていて、飽きない。

「ただし、君も一緒に休む事が条件だ。そうでなければ、私は休まない。」

「うわっ。もしかして、ライトって顔に似合わず淋しがり屋?」

知らなかったとニヤニヤと笑うバッツの頭を私は、

「ふざけた事を言うな。」

「いたっ!」

軽く叩いておいた。



【終】

昔手遅れになったのは、父親と仲間とどっちでしょうかね?

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