ディシディア文章その2
□ごめんね
1ページ/1ページ
今回は、自分で気付かなきゃダメだよ。
『ごめんね』
「わぁお。これまた随分と酷くやられたもんだな。」
目の前で、スコールが倒れている。
気を失っているだけで、死んではいない。だが、酷い怪我だ。放置しておいたら、確実に彼は日付が変わる前に死んでしまうだろう。
「強いイミテーションに戦いを挑んだものの勝てそうになくて、命からがら逃げて、ここで力尽きた…って感じかな?」
気絶しているスコールの側にしゃがみながら、彼がとったであろう行動を予想してみる。
近くに、秩序の戦士の気配はない。それはつまり、スコールが一人で行動していたという事だ。誰かと一緒に行動していたとしたら、スコールはこんな所で倒れていたりしないだろう。
「一人でなんでも頑張っちゃうスコールは、凄く偉いと思うよ?でも、もう少し仲間を頼る事を覚えた方がいいと俺は思う。でなきゃ、この戦いは生き残れない。」
気絶しているスコールに、弱めにケアルをかけてやる。本当は、怪我を完全に治してあげたい。でも、意識を取り戻したらスコールに剣を向けられちゃうだろうから。だから、今の俺に出来るのは血を止めてあげるぐらいだ。それと、彼の側にポーションの瓶を置いておくぐらい。
だって今の俺は、混沌の戦士。スコールの敵だから。彼が目を覚ませば、確実に剣を向けてくるだろう。なんたって任務に忠実だからな、スコールは。秩序軍の勝利の為に、敵を何がなんでも倒そうとするだろう。
それはこの世界においては正しいとされる行動。自分以外誰も覚えてないとしても、かつての味方に、殺気のこもった剣を向けられるなんてされたくない。出来れば、避けたい。だって、辛いもの。
「今回は、幸運のお守りは貸してあげられない。だから、スコールは自分で気付くしかないんだよ。何のための仲間なのか、どうして一緒に戦っているのか…その理由を。」
こっそりとリレイズをかけてあげようかと思ったが、止めた。なんたって秩序側には、魔法に詳しいオニオンナイトやティナがいる。リレイズなんてかけたら、すぐに気付かれてしまうだろう。仲間の意味に気付くまで一人で歩いていくであろうスコールに、余計な問題を増やしたくはない。それは、彼の歩む道を更に困難にするだけだから。
「ごめんね、本当にごめんね。今回は側にいて支えてあげる事も、手伝ってあげる事も出来ないんだ。スコールがこの戦いに生き残れるように、祈る事ぐらいしか俺には出来ないんだ…。」
今回の戦いも、無事に生き残ってくれる事を祈ってる。
気絶したまんまのスコールの頭をそっと撫で、俺はその場から離れた。
「…(なんで自分の気持ちとは逆の事をしなきゃならないんだろう?いったい、俺が何をしたっていうの?カオスもコスモスも、神様なんて大嫌いだ!!)」
【終】
思い付くままに書いてるから、順番がめちゃくちゃなような気がしますが、まぁ良いでしょう(良いのか?)
どうやら私は、スコールを無駄に怪我させたいみたいです。今、気付きました(笑)