ディシディア文章その2

□ごめんね
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今回は、自分で気付かなきゃダメだよ。



『ごめんね』



「わぁお。これまた随分と酷くやられたもんだな。」

目の前で、スコールが倒れている。
気を失っているだけで、死んではいない。だが、酷い怪我だ。放置しておいたら、確実に彼は日付が変わる前に死んでしまうだろう。

「強いイミテーションに戦いを挑んだものの勝てそうになくて、命からがら逃げて、ここで力尽きた…って感じかな?」

気絶しているスコールの側にしゃがみながら、彼がとったであろう行動を予想してみる。
近くに、秩序の戦士の気配はない。それはつまり、スコールが一人で行動していたという事だ。誰かと一緒に行動していたとしたら、スコールはこんな所で倒れていたりしないだろう。

「一人でなんでも頑張っちゃうスコールは、凄く偉いと思うよ?でも、もう少し仲間を頼る事を覚えた方がいいと俺は思う。でなきゃ、この戦いは生き残れない。」

気絶しているスコールに、弱めにケアルをかけてやる。本当は、怪我を完全に治してあげたい。でも、意識を取り戻したらスコールに剣を向けられちゃうだろうから。だから、今の俺に出来るのは血を止めてあげるぐらいだ。それと、彼の側にポーションの瓶を置いておくぐらい。

だって今の俺は、混沌の戦士。スコールの敵だから。彼が目を覚ませば、確実に剣を向けてくるだろう。なんたって任務に忠実だからな、スコールは。秩序軍の勝利の為に、敵を何がなんでも倒そうとするだろう。
それはこの世界においては正しいとされる行動。自分以外誰も覚えてないとしても、かつての味方に、殺気のこもった剣を向けられるなんてされたくない。出来れば、避けたい。だって、辛いもの。

「今回は、幸運のお守りは貸してあげられない。だから、スコールは自分で気付くしかないんだよ。何のための仲間なのか、どうして一緒に戦っているのか…その理由を。」

こっそりとリレイズをかけてあげようかと思ったが、止めた。なんたって秩序側には、魔法に詳しいオニオンナイトやティナがいる。リレイズなんてかけたら、すぐに気付かれてしまうだろう。仲間の意味に気付くまで一人で歩いていくであろうスコールに、余計な問題を増やしたくはない。それは、彼の歩む道を更に困難にするだけだから。

「ごめんね、本当にごめんね。今回は側にいて支えてあげる事も、手伝ってあげる事も出来ないんだ。スコールがこの戦いに生き残れるように、祈る事ぐらいしか俺には出来ないんだ…。」

今回の戦いも、無事に生き残ってくれる事を祈ってる。

気絶したまんまのスコールの頭をそっと撫で、俺はその場から離れた。

「…(なんで自分の気持ちとは逆の事をしなきゃならないんだろう?いったい、俺が何をしたっていうの?カオスもコスモスも、神様なんて大嫌いだ!!)」



【終】

思い付くままに書いてるから、順番がめちゃくちゃなような気がしますが、まぁ良いでしょう(良いのか?)

どうやら私は、スコールを無駄に怪我させたいみたいです。今、気付きました(笑)

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