ディシディア文章その2
□逃げられない!
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こんなつもりじゃなかったのに。
『逃げられない!』
正直、俺がここにいてよいのか不安になる時がある。
「今日はグルグ火山の方まで行ってみようぜ!」
「俺は問題なし。スコールは?」
「別に問題はない。」
俺は、バッツとスコールと三人で良く行動する。二人とも親友だし一緒にいると楽しいし、彼等と行動する事に文句はない。文句はないのだが、時々居づらく感じる時があるのだ。
「お宝が沢山あると良いな!」
「…あまり調子に乗りすぎるなよ。怪我したらどうする」
楽しみだと笑うバッツと、そんなバッツを窘めるスコール。いつも通りの光景だが、この光景を見る度に俺がここにいるのは二人の邪魔なんじゃないかって思うのだ。
「大丈夫だって!白魔法使えるし、いざという時はスコールが俺を守ってくれたりするんだろ?」
「さぁ、どうだろうな。」
スコールといる時はバッツは本当に嬉しそうに笑う。そしてそんなバッツを見つめるスコールの目は、ありえないぐらい優しい。
この二人が醸し出す空気が俺がこの場から逃げ出したくなる原因の最たるものだ。いずらいったらありゃしない。イチャつくなら、二人きりの時にしてくれ。お願いだから。
「…俺、やっぱり今日はパスするわ。なんか目眩してきたし。」
気をつかって二人きりにしてやろうとするも、バッツとスコールはキョトンとした顔をするだけだ。おいおい、せっかく二人きりにしてやるんだから嬉しそうな顔しろよ。なんなんだよその鳩が豆鉄砲くらったような顔は!
「なんだ、ジタン具合悪かったのか。じゃあ、今日はジタンの看病するのに変更だ!」
「具合が悪い時は栄養のバランスの良いモノを食べて、休息をとるに限る。…料理は、俺が作ろう。」
「は!?ちょっと待てって、看病なんかいらないから!」
妙な方向に進行しだした事態に慌てる俺を、こんな時ぐらい遠慮するなと言う二人。
「遠慮なんかしてないし、体もどこも悪くないから!」
「はいはい、分かった分かった。ずっと側にいてやるからな!」
「栄養満点で美味しい粥を作ってやる。…期待して待ってろ。」
イロイロ言い訳してみたが、バッツとスコールは聞いてくれるはずもなく。その日一日、俺は具合が悪くないのに二人に看病される羽目になった。
こんなつもりじゃなかったのに、なんでこんな事になっちゃったんだろう。
なんか泣きたいと、俺はため息をついた。
【終】
589の三人は、いつも一緒に行動してて、三人でキャッキャッしてれば良いと思うの。