06/29の日記

20:44
ナギA:幸せを噛み締める
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夏バテによる食欲低下で太りすぎの体を正常に近づかせる女、ナナです。

でもそれがあまりにも少しだけなので、結局太るとかいう残念フラグはどうしたらへし折れるのでしょうかね??(笑)

以下、ナギA。世話焼きナギさん。

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俺の目が黒いうちは、夏バテなんかにはさせません。

…だから、覚悟しとけよ。


『幸せを噛み締める』


まったく、手のかかる子供だこと!

「エースさぁん、生きてますかぁ〜?」

暑さにも寒さにも弱い子供が一人。食事より睡眠に重点をおいているだけなのか、ただただ面倒臭いだけなのか。そこの所は詳しく分からないが、エースはちょっとでも目を離すとすぐに食事を抜く。お腹減ってないから、食べなくても大丈夫だとか言いながら。
これが一食ぐらいなら大目に…いや、駄目だ。そんな事言ってたら、ただでさえ細いエースが、もっと痩せて骨と皮だけになってしまう。そんなの、俺の目が黒いうちは絶対にさせません。むしろもっと太らせたいぐらいの気分だ。これ以上痩せられたら、抱きごこちが悪く…ゴホゴホ!な、なんでもない。うん。

「…エースは、死にました。16年とか短いけれど、充実した人生だった。チョコボをもっとモフモフしたいから、ここに連れてきてくれ。」

「はいはい。しゃべる死体なんて珍しいですね…って、そんなふざけた事言ってる暇あったらとっとと起きる!そして飯を喰え!!」

頭からすっぽり被った布団をひっぺがしてやると、ぎゃあ!とか悲鳴があがった。それはいつもの事なので大して気に止めず、それでも寝ようとするエースの体を無理矢理起こした。

「食べなきゃ夏バテ起こすでしょうが。だから少しでも食べろ。」

「夏バテになったら、夏バテを理由に授業休むから僕的にはオールオーケーだ。」

「全然オーケーじゃないからね?あと、夏バテぐらいじゃ授業休めないからな。それじゃ、サボるのと一緒だから。」

そんな馬鹿な!と本気なのかふざけてるのか、いややっぱり本気だったんだろうな。かなりガッカリした様子のエースを抱き上げて、部屋に唯一あるテーブルまで運んで椅子に座らせた。
テーブルの上には、思わずエースが食べたくなるようにって考えて準備した朝食。フレンチトーストにベーコンエッグにサラダ、そしてデザートのオレンジゼリー。もちろん、準備したのは俺。昨日夜遅くに任務から帰ってきたからちょっと疲れてるけど、愛しのエースの為に頑張りました。これで食べないとか泣いちゃうかも…なんてね、冗談冗談。次回は彼がちゃんと食べてくれるように、もっと研究するだけだ。

「…いただきます。」

諦めたのか、大人しく朝食を食べ出すエース。最初に食べ出したのは、ベーコンエッグだ。甘いのが好きな彼の事だからフレンチトーストあたりから食べ出すと思ってたから、意外ちゃあ意外。もしかしたら、ただ好きなのは最後に取っておきたいだけなのかもしれないけども。

「…ナギも一緒に食べるか?ほら、サラダ分けてやるから。」

エースの真正面に座り、食べるエースを眺めてささやかな幸せを噛み締めていたら、エースが急にニコッと笑ってサラダの皿を俺の方へ差し出した。それに俺もニコッと笑って、

「野菜苦手だからって、俺に押し付けるなよ。好き嫌いしてないで、全部食べなきゃ駄目だろ。」

サラダの皿を受け取るふりして、エースの側に置いた。途端に、チッて悔しそうに舌打ちするエース。一緒に食べようって言えば、俺が誤魔化されるとか思ったのかねぇエースは。可愛すぎる。その考えが可愛すぎて、思わず頭を撫でたくなった。いや、すでにエースの頭を撫でてた。当然エースは何をするんだって怒ったが、怒る姿も可愛いなぁとか思ってしまう俺は相当重症な様だ。救いようのないぐらい、かもね。

「ナギが僕の頭を撫でたせいで、髪がぐちゃぐちゃだ。責任取って、このサラダを僕の代わりに食べろ。」

「…諦め悪いねぇ。それは、エースの分だからな。食べなきゃダァメ!」

諦めずにサラダの皿を俺に押し付けるエースを可愛いなぁと思いつつ、彼の額に俺は軽くデコピンをかました。


【終】

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