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□Sink
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手から擦り抜けた光
何処まで落ちていく
闇へ闇へ闇へ沈む




朧げな視界
羽ばたいた
過去は空想
何かを忘れ
俺は死んだ




海は生命を漂わせ
恐怖と甘美を香らせる
腐った心で歌う言葉は
心臓を押し潰す日々に
何を思い血を吐くのか




落ちた空
堕ちた心
羽根は千切れ
手から世界は消えた




擦り抜けた光
俺には理解出来ない
ここまでの人生が
一瞬で無になる事実を
直視したくない




俺は落ちていく
光が遠ざかる




底まで
底まで
だが底なんて
本当にあるのか?




何処までも落ちていく
ただただ無様な顔をして
死を思い浮かべながら
生命の揺り篭へ戻ってく
この皮肉さえも救えない




瞼を閉じる
それでも
浮かぶのは
記憶だけ




底無しの絶望
俺の闇は深い

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