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□seeming understanding
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俺がオマエを利用していたこと
オマエが俺を欲していたことも
全て知っていた
傷跡は残酷だな
理解者としては
もう俺はオマエの前に立てない
涙を流されても罵声を浴びても
俺には何の術も無い
目も合わせず小さな声で言った
[擦れ違いでは無かった]
はじめから俺達の結末なんて
見えていたようなモノだって
オマエが言うなんて思わなかったよ




終わりなど呆気ない
また日常ははじまる
隣にいる人間が消え
記憶のがらくたへ変わる
そんなモノに埋もれた扉
俺はいつの間にか忘れて
漠然とした世界を見てた
月の満ち欠け空の色と風
めくられないページに
バッドエンドを予感し怯えてる




何の為の出会い
そして別れだったのか
俺には言葉が見つからない
オマエは説明出来るのか?




欺き合って過ごしてきた日々
そこで見た光は何だったのか
運命とは惨たらしい流血
記憶は血
追憶は傷跡
消える日は
訪れない




この世界に生まれ
俺と巡り逢う奇跡
だがそれ自体を
不幸だったと受け止める人は
これまでにどれほどいただろう




嘘をつかれても愛しさは消えない
でもそれは不動のモノがあると信じるから
もしそのモノ自体が当たり前で無いのなら




オマエも俺と似た感情を抱くだろう
生きてきた過程は誰にとっても不平
そして矛盾
庭を綺麗にする為に花を毟る人
庭を綺麗にする為に花を育む人




水は与えても枯らす人
水を与えすぎ腐らす人




どうにも難解な通達
世界は悲しげな顔だ
行為による善意も悪意も
相手の受け止め方
そして互いの疎通
理解を傷つけ合う
俺達には無縁そして
なんて相応しくない言葉なんだろう




傷口が疼く

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