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□Slow reactionary
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なんで俺はあの時。
あんな無責任なことを言ってしまったんだろう。
悔やんでも悔やみきれない夜が明け
いつもと何一つ変わらない朝が来る。


この世界は俺にとっての、どんなに大切なモノが消えようと直接的な関係を齎さないんだということを思い知らされた。




結局何をしようが
言ってみようが俺を含む誰も彼もがこの世界の下に生かされているだけで。
現実は常に残酷なモノだから。
もう笑える気がしない。




腕に残された跡。
遺品から判明した違法物。
けど俺にとってそんなことはどうでもよかった。
ただ苦悩を打ち明けられる相手になれていなかった事実だけが重くのしかかる。
あんなに笑顔をくれていたけれど。
無理をしていたんだろう。


俺は最低な奴だ。
本当に。




不気味なほど静かな。
とても晴れた青空の下。
最期の別れを告げた。
密やかな涙の粒。
蝉の鳴き声。
季節は遠く。
黒いネクタイ。
息苦しいのは。
それだけのせいじゃない。




見慣れたあの道を歩く。
思い出ばかりが頭をかすめマトモに前を見ることが出来ない。
下を向いていると涙が零れ落ちそうになる。
強がって目線を上げた。




星空。
真夜中の道。
わからない。わからないままだ。
どうして隣から消えたのか。




眩しくて。
遠すぎて。
ごめん。
ありがとう。
さようなら。


やっぱり…綺麗になんて片付かない。
わかってもいたんだ。
きっと何処かで。

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